“見境”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みさかい60.7%
みさかひ25.0%
みさか10.7%
みさけえ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
根が悪徒ではござりませぬ、取締りのない、ただぼうと、一夜酒ひとよざけが沸いたようなやっこ殿じゃ。すすきも、あしも、女郎花おみなえしも、見境みさかいはござりませぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところで、一刻いつこくはや仕上しあげにしやうとおもふから、めし手掴てづかみで、みづ嚥下のみおろいきほひえてはたらくので、時間じかんも、ほとんど昼夜ちうや見境みさかひはない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女だの、小供だの、車引きだの、馬子だのと、そんな見境みさかいのあるうちは、まだ逆上を以て人に誇るに足らん。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どうも江戸っ子は江戸っ子同志でなくっちゃ、話しが合わねえものだから。何ですかい、やっぱりあの御嬢さんが、御愛想に出てきますかい。どうもさっぱし、見境みさけえのねえ女だから困っちまわあ
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)