“いっこく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一刻42.9%
一国14.3%
一克8.2%
一酷8.2%
一剋6.1%
一石6.1%
頑固6.1%
一斛4.1%
一哭2.0%
一本気2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
全く私たちにはそのイギリス海岸の夏の一刻いっこくがそんなにまで楽しかったのです。そして私は、それがわるいことだとはけっして思いませんでした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「まったくあの宗匠は一国いっこくで、一旦こうと云い出したが最後、なんと云っても承知しないんですから」
半七捕物帳:36 冬の金魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「いいや、こんなことに年寄りの出るところやおへん」と一克いっこくそうに、わざと仰山ぎょうさん頭振かぶりをふったかと思うと
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
何故なにゆえに以前藩に対してあれほど卑劣な男が後にいたっては折角せっかくれようと云う扶持方ふちかたをも一酷いっこくに辞退したか、辞退しなくっても世間に笑う者もないのに、うっかわった人物になって
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
雪、虚勢はせ。なあ、貴さまと、拙者、あの一剋いっこくの一松斎の門では、一つ鍋の飯を食うたことがあるのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
一石いっこく橋を眼下に瞰下みおろしているが、江戸時代に、その一石橋の上に立って見廻すと、南から北へ架け渡す長さ二十八間の、欄干らんかん擬宝珠ぎぼうしゅの日本橋、本丸の大手から、本町への出口を控えた門があって
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
おら頑固いっこくは知って居るしなあ、く来た、一昨日おとゝいから逢いたくって/\たまらねえ、何卒どうぞして逢いてえと思って、もう逢えば死んでもいやア、もう死んでも宜い
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
農夫一人よめ一人劇しき時に日雇一人にて田一町をたがやす。種一斛いっこくきて穀四十斛ばかりを穫べし。りて米二十斛も有るべし。御年貢諸掛り五斛ばかりを納めて、残り十五斛ばかりも有るべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蔵春は秉忠へいちゅうの号なり。盧溝は燕の城南に在り。この劉文貞に傾倒することはなはだ明らかに、其の高風大業を挙げ、しこうして再拝一哭いっこくすというに至る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……しかるに左門は、紙帳の中で起き伏しするようになってから、だんだん一本気いっこくとなり、狭量となり、残忍殺伐となった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)