“一国”のいろいろな読み方と例文
旧字:一國
読み方割合
いっこく70.0%
いつこく30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そんな一国いっこくなことを言って、大勢の威勢で打壊ぶちこわしにでも会った日には、ちっとやそっとの金では埋合せがつかない」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「まったくあの宗匠は一国いっこくで、一旦こうと云い出したが最後、なんと云っても承知しないんですから」
半七捕物帳:36 冬の金魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そも/\越後国は北方の陰地いんちなれども一国いつこくの内陰陽いんやう前後ぜんごす。いかんとなれば天は西北にたらず、ゆゑに西北をいんとし、地は東南にたらず、ゆゑに東南をやうとす。
いやが上にも陰性になつて仲間から敬遠されることも意に介せず、それは決して嘗ての如き虚栄一点張の努力でなく周囲を顧みる余裕のない一国いつこく自恃じぢ緘黙かんもくとであつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)