“いっとき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一時46.2%
一刻34.8%
一斉7.7%
一瞬4.9%
一晌4.5%
二時間0.8%
同時0.4%
壱時0.4%
寸時0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして、他人の中でまれて来れば、人間も少しは強くなるに相違ない、腕もあがるに相違ない。一時いっときは辛くとも当人の末の為になる。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「——一刻いっときばかりが大事なところだ、おれも今すぐに出向くから、持場を離れずにめていてくれ。日ごろの稽古を試すのは今宵だぞ」
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ハイ、これ、昔から言うことだ。二人一斉いっときに産をしては、後か、さきか、いずれ一人、相孕あいばらみ怪我けががござるで、分別のうてはなりませぬ、)
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まったく彼の影は、一瞬いっときの間に細く見えた。——つくづく奉公人の器でない事を、今更、自分で知ってほぞを噛むのだった。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さしたる荷物もないのであるが、それでも一晌いっときほどの暇を潰して、主人も家来もがっかりした。表では雨の音がはらはら聞えた。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二時間いっときのことはさておいて半刻遅れても間に合わぬ!」島君はべたべたと坐ってしまった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いや、ものに誘われて、何でも、これは、言合わせたように、前後甲乙、さっぱりと三人同時いっときだ。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
評定所同心湯場宗十郎等ガ中ヘイリテ、段々八太郎ガ不礼ノ段ヲビルカラ、大草ヘモ云ワズニ帰ッタ、オヨソ壱時いっときバカリノコト、御座敷中ガ大騒動シタガ、イイキビダッタ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わたくしなどはいま修行しゅぎょう真最中まっさいちゅう寸時いっときもうかうかとあそんではりませぬ。