“ひとしきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一時65.1%
一仕切7.0%
一陣7.0%
一頻7.0%
一瞬4.7%
一刹那2.3%
一区域2.3%
一画2.3%
一霎時2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これをさまると、一時ひとしきりたゝきつけて、屋根やねかきみだすやうな風雨あめかぜつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と云う時、言葉が途切れた。二人とも目を据えてみまもるばかり、一時ひとしきり、屋根を取ってひしぐがごとく吹きなぐる。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そう急に生れるもんじゃないだろうな、子供ってものは。一仕切ひとしきり痛んではまた一仕切治まるんだろう」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが一仕切ひとしきりつと、桜のうわさがちらほら私の耳に聞こえ出した。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一陣ひとしきり風が吹くと、姿も店も吹き消されそうであわれ光景ありさま。浮世の影絵が鬼の手の機関からくりで、月なき辻へ映るのである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かぜ一陣ひとしきりでて、ふね動搖どうえうやゝはげしくなりぬ。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一頻ひとしきり陽気になつた。お糸さんも二階のお客さんを送りつけて手がすいた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
先ずこのがやがやが一頻ひとしきりむとお徳は急に何か思い出したようにたって勝手口を出たが暫時しばらくして返って来て、妙に真面目まじめな顔をして眼をまるくして、
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と、暗黒の空の二ヵ所に月と日輪とが現われて一瞬ひとしきり四辺あたりが真昼のように紅色の光に輝いたが次の瞬間には消え失せた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、それとても一瞬ひとしきりで、刀身はまたもや白く輝き、柄で蔽われていた茅野雄の額の、陰影かげさえ消えてきょのような眼が、眼前数間の彼方あなた群立むらだち、刀の切っ先を此方こなたへ差し向け、隙があったら一斉に寄せて、打って取ろうとひしめいている、七人の敵を睨んでいた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
白縮緬の一群は、気を呑まれて一刹那ひとしきり静まったが、権を笠に着て盛り返した。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
星明りにうつすりと浮んだ阿寒山あかんざんの雪が、塵も動かぬ冬の夜の空を北に限つて、川向かはむかひ一区域ひとしきり燈光ともしびを群がらせた停車場から、鋭い汽笛が反響も返さず暗をつんざいた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それとも知らぬ海軍士官は、道を考うるようにしばしば立ち留まりては新しき墓標を読みつつ、ふと一等墓地の中に松桜を交え植えたる一画ひとしきり塋域はかしょの前にいたり、うなずきて立ち止まり、かきの小門のかんぬきうごかせば、手に従って開きつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そのまま枕に就いて一霎時ひとしきりうとうとと眠ったかと思う間もなく、座敷のうちにわかにぱッと明るくなったので、私も驚いて飛びきる
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)