“一刹那”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっせつな67.5%
いつせつな25.0%
いちせつな2.5%
ひとしきり2.5%
ひとせつな2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一寸法師は、お花に正面から見つめられて、一寸ちょっとたじろいだ。彼の顔には一刹那いっせつな不思議な表情が現れた。あれが怪物の羞恥しゅうちであろうか。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
して、事あらはれなば一振ひとふりやいばに血を見るばかり。じやうの火花のぱつと燃えては消え失せる一刹那いつせつなの夢こそすなはち熱き此の国の人生のすべてゞあらう。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
早苗さんが躊躇ちゅうちょしたのも無理ではない。虫が知らせたのだ。次の一刹那いちせつなに起こるであろう地獄の光景を、潜在意識が敏感にも告げ知らせたのだ。
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
白縮緬の一群は、気を呑まれて一刹那ひとしきり静まったが、権を笠に着て盛り返した。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とつぜんに朱をそそいだようにまっかに燃えあがったとみた一刹那ひとせつな、もはや勝敗にまったく目がくらみきっていたのでしょう。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)