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一刹那
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いつせつな
ふりがな文庫
“
一刹那
(
いつせつな
)” の例文
して、事
露
(
あらは
)
れなば
一振
(
ひとふり
)
の
刃
(
やいば
)
に血を見るばかり。
情
(
じやう
)
の火花のぱつと燃えては消え失せる
一刹那
(
いつせつな
)
の夢こそ
乃
(
すなは
)
ち熱き此の国の人生の
凡
(
すべ
)
てゞあらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
手を動かし足を動かす
一刹那
(
いつせつな
)
に、今にも又、不公平な運命の
災厄
(
さいやく
)
がこの身の上に落ちかゝりはしないかと
怖
(
お
)
ぢ恐れ、維持力がなくなるのであつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
青年の手が
僅
(
わずか
)
二寸ばかり右に寄るか、左によるか、その
一刹那
(
いつせつな
)
のまぐれ当りによって、泣いてもわめいても取り返しのつかぬ生死の運命が決してしまうのだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
誰が、この顔を見てそんな真似が出来ます。かう書くと、長い間の事のやうですが、実際は、殆、
一刹那
(
いつせつな
)
の中に、こんな自責が、私の心に
閃
(
ひらめ
)
きました。丁度、その時です。
猿
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
敵は帆村が手許にとびこんできたのにハッと狼狽して
拳銃
(
ピストル
)
をとりなおそうとする
一刹那
(
いつせつな
)
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
いや
放
(
はな
)
しませぬ
放
(
はな
)
されませぬお
前
(
まへ
)
さま
殺
(
ころ
)
しては
旦那
(
だんな
)
さまへ
濟
(
す
)
みませぬといふは
正
(
まさ
)
しく
勘藏
(
かんざう
)
か、とお
高
(
たか
)
の
詞
(
ことば
)
の
畢
(
をは
)
らぬ
内
(
うち
)
闇
(
やみ
)
にきらめく
白刄
(
しらは
)
の
電光
(
いなづま
)
アツと
一聲
(
ひとこゑ
)
一刹那
(
いつせつな
)
はかなく
枯
(
か
)
れぬ
連理
(
れんり
)
の
片枝
(
かたえ
)
は。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
第六囘
(
だいろくくわい
)
に
至
(
いた
)
りて
始
(
はじ
)
めて、
殺人
(
さつじん
)
の
大罪
(
だいざい
)
なるか
否
(
いな
)
かの
疑問
(
ぎもん
)
を
飮食店
(
いんしよくてん
)
の
談柄
(
だんぺい
)
より
引起
(
ひきおこ
)
し、
遂
(
つい
)
に
一刹那
(
いつせつな
)
を
浮
(
うか
)
び
出
(
いだ
)
さしめて、この
大學生
(
だいがくせい
)
何
(
なん
)
の
仇
(
あだ
)
もなき
高利貸
(
こうりかし
)
を
虐殺
(
ぎやくさつ
)
するに
至
(
いた
)
る。
第
(
だい
)
七
囘
(
くわい
)
は
其
(
その
)
綿密
(
めんみつ
)
なる
記事
(
きじ
)
なり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
未来派の絵の特色は
種種
(
しゆ/″\
)
あるが、
一刹那
(
いつせつな
)
に幾多の印象が「併存」し、「連続」し、「混融」し、「反撥」し、
且
(
か
)
つ「乱迷」して流動しつつあることを画布の上に再現しようとするのが
其一
(
そのいつ
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
赤き
震慄
(
おびえ
)
の
接吻
(
くちつけ
)
にひたと
身
(
み
)
顫
(
ふる
)
ふ
一刹那
(
いつせつな
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一刹那
(
いつせつな
)
、背を
乾
(
ほ
)
してゐた
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
一刹那
(
いつせつな
)
、
壺
(
つぼ
)
にあふるる火のゆらぎ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
刹
常用漢字
中学
部首:⼑
8画
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
“一刹”で始まる語句
一刹