-
トップ
>
-
一陣
読み方 | 割合 |
いちぢん | 36.4% |
ひとしきり | 36.4% |
いちじん | 27.3% |
棟近き
山の
端かけて、
一陣風が
渡つて、まだ
幽に
影の
殘つた
裏櫺子の
竹がさら/\と
立騷ぎ、
前庭の
大樹の
楓の
濃い
緑を
壓へて
雲が
黒い。
一陣風が吹くと、姿も店も吹き消されそうで
哀な
光景。浮世の影絵が鬼の手の
機関で、月なき辻へ映るのである。
一人は
左鬢に、
微かな
傷に
白鉢卷、
私は
雀躍しながら、
倶に
眺むる
黎明の
印度洋、
波上を
亘る
清しい
風は、
一陣又一陣と
吹來つて、
今しも、
海蛇丸を
粉韲したる
電光艇は