一瞬ひとしきり)” の例文
と、暗黒の空の二ヵ所に月と日輪とが現われて一瞬ひとしきり四辺あたりが真昼のように紅色の光に輝いたが次の瞬間には消え失せた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それとても一瞬ひとしきりで、刀身はまたもや白く輝き、柄で蔽われていた茅野雄の額の、陰影かげさえ消えてきょのような眼が、眼前数間の彼方あなた群立むらだち、刀の切っ先を此方こなたへ差し向け、隙があったら一斉に寄せて
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)