“いっぽんぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
醇粋20.0%
一本気20.0%
一本生20.0%
一本限20.0%
卒直20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此方こちの心が醇粋いっぽんぎなれば先方さきの気にさわる言葉とも斟酌しんしゃくせず推し返し言えば、為右衛門腹には我を頼まぬが憎くていかりを含み、わけのわからぬ男じゃの
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸仏菩薩もお許しあれ、生雲塔の頂上てっぺんより直ちに飛んで身を捨てん、投ぐる五尺の皮嚢かわぶくろやぶれて醜かるべきも、きたなきものを盛ってはおらず、あわれ男児おとこ醇粋いっぽんぎ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大杉は直情径行でスパイの勤まるがらではない。もしその一本気いっぽんぎ肝癪かんしゃく傍若無人ぼうじゃくぶじん傲岸ごうがんが世間や同志を欺くの仮面であるなら、それは芝居が余り巧み過ぎる。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
えゝ四方よもで、彼家あすこでは好い酒を売ります、和泉町いずみちょうでは彼家ばかりで、番頭がわっちを知ってるので、私が買いにくと長谷川町の番太が来たって別に調合を仕ないで、一本生いっぽんぎの鬼殺しを呉れますが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうか工夫をしてって見ろ、もし己のいう事を胡乱うろんと思うなら、書附をやって置いても宜しい、お互に一つ鍋の飯を食い、燗徳利が一本限いっぽんぎりで茶碗酒を半分ずつ飲んだ事もある仲だ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかるにこの日招かれて来て、そうして彼女に会って見て、そうして彼女から卒直いっぽんぎの恋の素振そぶりを見せられて、始めて彼は身を焼くような恋の思いに捉えられた。彼は彼女にそそられたのである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)