敏捷はや)” の例文
流石に商人あきうどは目が敏捷はやかつた。絵は売る為めに註文したので、画家ゑかきに会つた為に売値を崩すやうな事があつても詰らなかつた。
女とあなどったものか二人が前後から立ち寄って来るのを若侍はサッと払いけた。思いもかけぬ敏捷はやさで二三足横に飛んだと思うと、松の蔭から出て来た平馬にバッタリ行き当った。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)