はや)” の例文
が、心は矢竹やたけはやっても彼女かれはり女である。村境むらざかいまで来るうちに、遂に重太郎の姿を見失ったのみか、我も大浪おおなみのような雪風ゆきかぜに吹きられて、ある茅葺かやぶき屋根の軒下につまずき倒れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かかる私政に服従するの義務何処いずくにかあらん、この身は女子なれども、如何いかでこの弊制へいせい悪法を除かずしてむべきやと、しょうは怒りに怒り、はやりに遄りて、一念また生徒の訓導に意なく
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
絃妓げんぎも来り、舞子も来りて、一家狂するばかりなり。宴終りてのち、種々しめやかなる話しも出で、あかつきに至りて興はなお尽きざりき。七年のかたを、一夜に語り一夜に聴かんとはやれるなるべし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
しかし隣り村の家というのもあんまりはやまっているじゃねえか。ほかの事と違って、嘘かほんとうかよく詮議して見たらよかろうに、それですぐに破談にしてしまうというのは可哀そうだ。それがために容貌よしの孝行娘を
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)