“土州”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
としゅう50.0%
どしゅう50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月が対岸の土州としゅう屋敷の上にかゝって、夢のような光が沿岸一帯の家々の座敷に流れ込む頃には、刺青はまだ半分も出来上らず、清吉は一心に蝋燭のしんを掻き立てゝ居た。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
わし土州としゅうの方へ往こうと思う、土州には、深尾主人ふかおもんど殿が、山内家やまのうちけの家老をしておるし、主人殿なら、わし人為ひととなりも好く知っておってくれるから、何とか好いことがあるかも知れん
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
奥山見世物の開山は椿岳で、明治四、五年の頃、伝法院でんぼういんの庭で、土州どしゅう山内容堂やまのうちようどう公の持っていられた眼鏡めがねで、普仏戦争の五十枚続きの油画をのぞかしたのでした。
土州どしゅうの坂本龍馬と一緒に斬られたというもう一名の方は弟ではないかしらなどと思う。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)