土州どしゅう)” の例文
奥山見世物の開山は椿岳で、明治四、五年の頃、伝法院でんぼういんの庭で、土州どしゅう山内容堂やまのうちようどう公の持っていられた眼鏡めがねで、普仏戦争の五十枚続きの油画をのぞかしたのでした。
土州どしゅうの坂本龍馬と一緒に斬られたというもう一名の方は弟ではないかしらなどと思う。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鹿沼かぬまほうき丸亀まるがめ団扇うちわ天童てんどう将棊駒しょうぎごま久留米くるめかすり結城ゆうきつむぎ土州どしゅうの金物、それぞれに面白い発達である。そういう場所からはとりわけ生産の組織について多くを学ぶことが出来る。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
こういう風こそはどの世界においても尊ばれてよいことと思います。仕事は安藝あき郡、香美かみ郡、長岡ながおか郡などにも及び、信用は販路を遠くまで拡げました。土州どしゅうが誇るに足りる手仕事の一つであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)