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流行
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はや
ふりがな文庫
“
流行
(
はや
)” の例文
参勤交代の大名の行列が通るたびに、店には侍衆がたくさん立たれて、刀や鍔を買って行ったそうで、とてもよく
流行
(
はや
)
ったそうです。
あのころ:――幼ものがたり――
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
その頃は自転車の
流行
(
はや
)
り出した始めで、半七老人のいう通り、下手な素人がそこでも此処でも人を
轢
(
ひ
)
いたり、塀を突き破ったりした。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それからまた、近頃の教科書には本文とは大した関係のない
併
(
しか
)
し見た眼に綺麗なような色々の図版を入れることが
流行
(
はや
)
るようである。
マーカス・ショーとレビュー式教育
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これはその前から
流行
(
はや
)
ったことで、その真似をしていたのに過ぎないのだから、気の向いた時は吹き鳴らし、気の向かぬ時は吹かず
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
また両の耳は、昔
流行
(
はや
)
ったラジオのラッパのように顔の側面に取りつけられ、前を向いたラッパの口には黒い
布
(
きれ
)
で覆いがしてあった。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
其
(
それ
)
といふのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑
(
あつ
)
さのため、
可恐
(
おそろし
)
い
悪
(
わる
)
い
病
(
やまひ
)
が
流行
(
はや
)
つて、
先
(
さき
)
に
通
(
とほ
)
つた
辻
(
つじ
)
などといふ
村
(
むら
)
は、から一
面
(
めん
)
に
石灰
(
いしばひ
)
だらけぢやあるまいか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もうこの
頃
(
ころ
)
じゃ、門附けは
流行
(
はや
)
らんでな。ことしあもう
止
(
や
)
めよかと思うだ。五、六年前まであ、東京へ行った連中も旅費の
外
(
ほか
)
に小金を
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
瀬戸物の
亭
(
ちん
)
だの、睡蓮だの、刺繍の鳥だのを有難がった、安物のモック・オリエンタリズムは、西洋でも追い追い
流行
(
はや
)
らなくなった。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この年は初めて悪性の世界的流行感冒が
流行
(
はや
)
った秋のことで、自分もその
風邪
(
かぜ
)
に
罹
(
かか
)
ったが、幸いにして四、五日の軽い風邪で済んだ。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
その頃女給達の仲間には、何人もの客に一日の公休日を共にする約束をしては一つ場所に集合をさせてすっぽかす事が
流行
(
はや
)
っていた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ところが今の空っ風で病院が無暗に
流行
(
はや
)
るでしょう。到頭此方で女房を貰う。子供が続々出来る。
最早
(
もう
)
悉皆
(
すっかり
)
土着してしまいましたよ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
十年も昔に
流行
(
はや
)
ったような紋付羽織を祝儀不祝儀に着用して、それを恥ともせず、否むしろ粗服を誇りとするが小諸の
旦那
(
だんな
)
衆である。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
道理で、辻斬りが
流行
(
はや
)
るというのにこのごろはなお何かに呼ばれるように左膳は夜ごとの
闇黒
(
やみ
)
に迷い出る——もう
一口
(
ひとふり
)
の刀さがしに!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この頃江戸の町には奇怪な見世物が
流行
(
はや
)
っていた。時代に投合したものか、
市人
(
しじん
)
の趣向に適したものか、とにかく大変な人気である。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今年の夏の草花にカルセオラリヤが
流行
(
はや
)
りそうだ。だいぶ諸方に見え出している。この間花屋で買うとき、試しに和名を訊ねて見たら
唇草
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
且
(
か
)
つ慶長の初めには疫病が
流行
(
はや
)
り、天変地異がつゞいた。こんな事を仏僧や神官が神仏の怒りとして持ち出さずにはおく訳はなかつた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
留置場でヒゼンが
流行
(
はや
)
る話をきき、またこの不潔なやり方を見て、何よりわたしは淋毒が目にでも入っては大変だと恐怖を感じた。
一九三二年の春
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それは亜米利加のお金持ち仲間で
流行
(
はや
)
る男と女の遊び方で、お金持ちになればなる程、そんな遊びの
方法
(
しかた
)
が乱暴なんですってさあ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
是
(
これ
)
は
面白
(
おもしろ
)
い、
近頃
(
ちかごろ
)
落語
(
らくご
)
が
大分
(
だいぶ
)
流行
(
はや
)
るから、
何所
(
どこ
)
かで
座料
(
ざれう
)
を
取
(
とつ
)
て
内職
(
ないしよく
)
にやつたら
面白
(
おもしろ
)
からう、事に
依
(
よつ
)
たら
片商売
(
かたしやうばい
)
になるかもしれない。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仏寺、経巻、仏像の廃棄や
捨売
(
すてうり
)
が
流行
(
はや
)
った時ですから、綾麿も気にはかけて居りましたが、こう言われるとさすがにギョッとしました。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども
自分
(
じぶん
)
でそれをやった
覚
(
おぼ
)
えはございませぬ。
京
(
きょう
)
とは
異
(
ちが
)
って
東国
(
とうごく
)
は
大体
(
だいたい
)
武張
(
ぶば
)
った
遊
(
あそ
)
び
事
(
ごと
)
が
流行
(
はや
)
ったものでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
たとえば近来(第一次大戦以前)英国でしきりにストライキが
流行
(
はや
)
る。アメリカにおいても近来あらゆる方面にストライキが行われる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そのころ仙術といふものが
流行
(
はや
)
つて、それに熟達すると、ながく老といふことを知らないで生きながらへることができるのみか
春の賦
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
忍
(
しのぶ
)
ヶ
岡
(
をか
)
」は上野谷中の高台である。「太郎稲荷」はむかし柳河藩主立花氏の下屋敷に在つて、文化のころから
流行
(
はや
)
りはじめた。
里の今昔
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あるいは俗人で仏信心のものが
持仏
(
じぶつ
)
の前で木魚を叩いているものとも解されぬことはないが、「今
流行
(
はや
)
る」というような言葉から推すと
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
... 思切って
緞子
(
どんす
)
か
繻珍
(
しゅちん
)
に換え給え、」(その頃
羽二重
(
はぶたえ
)
はマダ
流行
(
はや
)
らなかった。)というと、「緞子か繻珍?——そりゃア華族様の
事
(
こ
)
ッた、」
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
『別に
流行
(
はや
)
つてもゐえしまへんけど、
藝妓
(
げいこ
)
はんがこんなことをして出しやはると、お客さんが口で受けたりしてはりまんがな。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
大門際
(
おほもんぎわ
)
に
喧嘩
(
けんくわ
)
かひと
出
(
で
)
るもありけり、
見
(
み
)
よや
女子
(
をんな
)
の
勢力
(
いきほひ
)
と
言
(
い
)
はぬばかり、
春秋
(
はるあき
)
しらぬ五
丁町
(
てうまち
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひ、
送
(
おく
)
りの
提燈
(
かんばん
)
いま
流行
(
はや
)
らねど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
娘の子の
裳
(
ジユツプ
)
も円く踊子の様に
披
(
ひら
)
いたので無くて、
大人
(
をとな
)
の女の服装と同じく日本の
衣物
(
きもの
)
の様に細く狭く直立したのが
流行
(
はや
)
つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
先刻
(
さっき
)
お部屋を見たときに、あれが湿板写真——つまり日本に例をとれば、明治初年に
流行
(
はや
)
った硝子写真であることを知りました。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
また他の者の噂によっても大分お医者さんが
流行
(
はや
)
り、法王の侍従医になって居るという事を聞いたから安心して居ったけれども
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
……えー、薪割りようのものにて、……滅多打ちにしたものらしく、六畳の血の海の中で、……よく
流行
(
はや
)
るねえ、このごろは。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかしそれが外国で
流行
(
はや
)
っているということについては、自分もなにかそんなことを、婦人雑誌か新聞かで読んでいたような気がした。——
愛撫
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
この時、私や竹内先生などが栃の木を使ったので、その頃栃の材を彫刻に使うことが
流行
(
はや
)
りましたが今日では余り使われていないようです。
幕末維新懐古談:74 初めて家持ちとなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
かれは
其処
(
そこ
)
でさまざまな人人を見た。それは、当時に
流行
(
はや
)
った小唄をヴァイオリンに併せて弾いたりする卑俗な街頭音楽者のむれであった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
博士が子供の時、東京でこつくりさんといふものが
流行
(
はや
)
つた。それから洋行してゐると、欧羅巴で
机叩
(
つくゑたたき
)
といふことが流行つた。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一方、火葬や風葬などというものが
流行
(
はや
)
ってきて、彼等のあいだには死というものに対する考えかたがぐっと変って来ました。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
ああ云うものを
単衣
(
ひとえ
)
に仕立てることがポツポツ
流行
(
はや
)
って来ましたけれども、あれに始めて目をつけたものは私たちではなかったでしょうか。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この
忙
(
いそが
)
しい世の中に、
流行
(
はや
)
りもせぬ幽霊の書物を
澄
(
す
)
まして愛読するなどというのは、
呑気
(
のんき
)
を通り越して
贅沢
(
ぜいたく
)
の沙汰だと思う。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
現今
(
いま
)
の
婦人
(
ひと
)
は、かなり個性に生きてゐるといふが、そのくせ
流行
(
はや
)
りものに安くコビリつく。その點、古い下町の女はかなり自分に生きてゐた。
下町娘
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
いざといふ場合に
為
(
な
)
ると、基督の精神も何も有つたもので無い、
婦人
(
をんな
)
の愚痴に
復
(
かへ
)
つて、昨今世間に
流行
(
はや
)
つてゐる煩悶に陥る。
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
銀座裏の酒場では「まだおそくはない」という叛乱軍の兵士に呼びかけた師団長の言葉が女給の殺し文句に変ってひとしきり
流行
(
はや
)
っていたが
菎蒻
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
父は原型を拵えてからやるのは始めは嫌いだったけれど、後にポインティング マシンが
流行
(
はや
)
りだしてからは原型によってやるようになった。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
これは寛政頃
流行
(
はや
)
り初めた物らしく「上るは下るは」と名づけたらしいとあって、馬上の唐人また武者姿で所作して見せるを、一人奇な声で
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
という風で、※吐きが念を入れて
流行
(
はや
)
って居たから「瀬川の仇討」など、当時の手紙一本位を証拠に信じる事は出来ない。
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
先生はそれから長い間精神科の病室にはいって居られましたが、先年インフルエンザの
流行
(
はや
)
った時、肺炎にかかって寂しく死んで行かれました。
手術
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
……それを今
流行
(
はや
)
りの露助の
真似
(
まね
)
をして、飛んでもないことをケシかけるものがあるとしたら、それこそ、取りも直さず日本帝国を売るものだ。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
相場
(
さうば
)
が
下
(
さ
)
げ
氣味
(
ぎみ
)
の
時
(
とき
)
にやうつかりすつと
損物
(
そんもの
)
だかんな、なんでも
百姓
(
ひやくしやう
)
して
穀
(
こく
)
積
(
つ
)
んで
置
(
お
)
く
者
(
もの
)
が一
等
(
とう
)
だよ、
卵拾
(
たまごひろ
)
ひもなあ、
赤痢
(
せきり
)
でも
流行
(
はや
)
つて
來
(
き
)
てな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「あんまりしんとしているからまたどこかの偽の藩札でもこしらえてるんじゃないかと思ってね、当時
流行
(
はや
)
るそうだから」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
起きられるようになって店へ出ると、客が慰めてくれて、よく
流行
(
はや
)
った。妾になれと客はさすがに時機を見逃さなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
“流行”の解説
流行(りゅうこう、はやり、英: Mode, Trend, Fad, Fashion)とは、あるものが人々の間に広がること、またはその状態。ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会へ浸透・普及していく過程にある状態を表す。
(出典:Wikipedia)
流
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“流行”で始まる語句
流行唄
流行歌
流行物
流行病
流行妓
流行児
流行神
流行感冒
流行廃
流行風邪