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時節柄
其といふのが、
時節柄暑さのため、
可恐い
悪い
病が
流行つて、
先に
通つた
辻などといふ
村は、から一
面に
石灰だらけぢやあるまいか。
御米は
手を
袖にして
道具屋の
前に
立ち
留まつた。
見ると
相變らず
新らしい
鐵瓶が
澤山並べてあつた。
其外には
時節柄とでも
云ふのか
火鉢が
一番多く
眼に
着いた。
それというのが、
時節柄暑さのため、
恐しい悪い病が
流行って、先に通った辻などという村は、から一面に
石灰だらけじゃあるまいか。