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時節柄
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じせつがら
ふりがな文庫
“
時節柄
(
じせつがら
)” の例文
其
(
それ
)
といふのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑
(
あつ
)
さのため、
可恐
(
おそろし
)
い
悪
(
わる
)
い
病
(
やまひ
)
が
流行
(
はや
)
つて、
先
(
さき
)
に
通
(
とほ
)
つた
辻
(
つじ
)
などといふ
村
(
むら
)
は、から一
面
(
めん
)
に
石灰
(
いしばひ
)
だらけぢやあるまいか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御米
(
およね
)
は
手
(
て
)
を
袖
(
そで
)
にして
道具屋
(
だうぐや
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
ち
留
(
ど
)
まつた。
見
(
み
)
ると
相變
(
あひかは
)
らず
新
(
あた
)
らしい
鐵瓶
(
てつびん
)
が
澤山
(
たくさん
)
並
(
なら
)
べてあつた。
其外
(
そのほか
)
には
時節柄
(
じせつがら
)
とでも
云
(
い
)
ふのか
火鉢
(
ひばち
)
が
一番
(
いちばん
)
多
(
おほ
)
く
眼
(
め
)
に
着
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それというのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑さのため、
恐
(
おそろ
)
しい悪い病が
流行
(
はや
)
って、先に通った辻などという村は、から一面に
石灰
(
いしばい
)
だらけじゃあるまいか。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども
時節柄
(
じせつがら
)
に
頓着
(
とんじゃく
)
なく、当人の
好尚
(
このみ
)
を示したこの
一色
(
ひといろ
)
が、敬太郎には何よりも
際立
(
きわだ
)
って見えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たとひ
紋着
(
もんつき
)
で
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いても、これが
反對
(
うらはら
)
で、
女湯
(
をんなゆ
)
の
揚場
(
あがりば
)
に、
待
(
ま
)
つ
方
(
はう
)
が
旦
(
だん
)
と
成
(
な
)
ると、
時節柄
(
じせつがら
)
、
早速
(
さつそく
)
其
(
そ
)
の
筋
(
すぢ
)
から
御沙汰
(
ごさた
)
があるが、
男湯
(
をとこゆ
)
へ
女
(
をんな
)
の
出入
(
でいり
)
は、
三馬
(
さんば
)
以來
(
いらい
)
大目
(
おほめ
)
に
見
(
み
)
てある。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
隣と我々の
住居
(
すまい
)
との仕切になっているそこは、高さ一間ぐらいの
土堤
(
どて
)
で、
時節柄
(
じせつがら
)
一面の
薄
(
すすき
)
が
蔽
(
おお
)
い
被
(
かぶ
)
さっているのです。兄さんは近づいた私を顧みて、下の方にある薄の根を指さしました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二三間離れた私にはそれが分らないくらい
四囲
(
あたり
)
が暗いのでした。けれども
時節柄
(
じせつがら
)
なんでしょう、避暑地だけあって人に会います。そうして会う人も会う人も、必ず
男女
(
なんにょ
)
二人連
(
ふたりづれ
)
に限られていました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
節
常用漢字
小4
部首:⽵
13画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“時節”で始まる語句
時節
時節若至