“じせつがら”の漢字の書き方と例文
語句割合
時節柄100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども時節柄じせつがら頓着とんじゃくなく、当人の好尚このみを示したこの一色ひといろが、敬太郎には何よりも際立きわだって見えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たとひ紋着もんつきはかま穿いても、これが反對うらはらで、女湯をんなゆ揚場あがりばに、はうだんると、時節柄じせつがら早速さつそくすぢから御沙汰ごさたがあるが、男湯をとこゆをんな出入でいりは、三馬さんば以來いらい大目おほめてある。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
隣と我々の住居すまいとの仕切になっているそこは、高さ一間ぐらいの土堤どてで、時節柄じせつがら一面のすすきおおかぶさっているのです。兄さんは近づいた私を顧みて、下の方にある薄の根を指さしました。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)