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早
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はや
ふりがな文庫
“
早
(
はや
)” の例文
高橋
(
たかはし
)
は、
早
(
はや
)
く
父親
(
ちちおや
)
に
別
(
わか
)
れたけれど、
母親
(
ははおや
)
があるのでした。
正吉
(
しょうきち
)
だけは、
両親
(
りょうしん
)
がそろっていて、いちばん
幸福
(
こうふく
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
であったのです。
世の中へ出る子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
早
(
はや
)
く
眼
(
め
)
がさめても
何時
(
いつ
)
までも
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るのがいゝか、
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめてもむつくり
起
(
お
)
きるのがいゝか、そのことで
兄弟
(
きやうだい
)
が
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
唐鍬
(
たうぐは
)
使
(
つけ
)
え
骨
(
ほね
)
折
(
おれ
)
つからつて
仕事
(
しごと
)
畢
(
しま
)
つちや一
合
(
がふ
)
位
(
ぐれえ
)
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けて
直
(
す
)
ぐ
行
(
い
)
つちやあんだつちけが、それ
今日
(
けふ
)
は
早
(
はや
)
くから
來
(
き
)
てたんだつちきや
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夕涼
(
ゆふすゞ
)
みには
脚
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
き
蟹
(
かに
)
も
出
(
い
)
で、
目
(
め
)
の
光
(
ひか
)
る
鮹
(
たこ
)
も
顯
(
あらは
)
る。
撫子
(
なでしこ
)
はまだ
早
(
はや
)
し。
山百合
(
やまゆり
)
は
香
(
か
)
を
留
(
と
)
めつ。
月見草
(
つきみさう
)
は
露
(
つゆ
)
ながら
多
(
おほ
)
くは
別莊
(
べつさう
)
に
圍
(
かこ
)
はれたり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから
又
(
また
)
『
毒
(
どく
)
』と
記
(
しる
)
してある
瓶
(
びん
)
から
澤山
(
たくさん
)
飮
(
の
)
めば、それが
屹度
(
きつと
)
晩
(
おそ
)
かれ
早
(
はや
)
かれ
體
(
からだ
)
の
害
(
がい
)
になるものだと
云
(
い
)
ふことを
决
(
けつ
)
して
忘
(
わす
)
れませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
「いや、そういうわけなら、
少
(
すこ
)
しでも
早
(
はや
)
く
連
(
つ
)
れておいでなさい。ここから
美作国
(
みまさかのくに
)
まで行くのでは、たっぷり
二日
(
ふつか
)
の
道
(
みち
)
のりだから。」
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一二月
(
いちにがつ
)
の
頃
(
ころ
)
に
枯
(
か
)
れ
木
(
き
)
のような
小枝
(
こえだ
)
に、
黄色
(
きいろ
)
い
花
(
はな
)
を
着
(
つ
)
けたり、また
蝋梅
(
ろうばい
)
のようにもっと
早
(
はや
)
く
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
で
香
(
かを
)
りたかく
咲
(
さ
)
き
誇
(
ほこ
)
るものもあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
一
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
役
(
やく
)
にもたたぬ
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうちゃく
)
から
離
(
はな
)
れるよう、しっかりと
修行
(
しゅぎょう
)
をして
貰
(
もら
)
いますぞ!
執着
(
しゅうじゃく
)
が
残
(
のこ
)
っている
限
(
かぎ
)
り
何事
(
なにごと
)
もだめじゃ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ドクトルは
其後
(
そのあと
)
を
睨
(
にら
)
めてゐたが、
匆卒
(
ゆきなり
)
ブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
發矢
(
はつし
)
と
計
(
ばか
)
り
其處
(
そこ
)
に
投
(
なげ
)
付
(
つけ
)
る、
壜
(
びん
)
は
微塵
(
みぢん
)
に
粉碎
(
ふんさい
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
サア、
皆
(
みな
)
の
水兵
(
ものども
)
出
(
で
)
た/\、
大佐閣下
(
たいさかくか
)
のお
皈
(
かへ
)
りだよ、それに、
珍
(
めづ
)
らしい
賓人
(
おきやくさん
)
と、
可愛
(
かあい
)
らしい
少年
(
せうねん
)
とが
御坐
(
ござ
)
つた、
早
(
はや
)
く
出
(
で
)
て
御挨拶
(
ごあいさつ
)
申
(
まう
)
せ/\。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ヂュリ おゝ、
早
(
はや
)
う
扉
(
と
)
を
閉
(
し
)
めて、そしてしめてまうたら、わたしと一しょに
泣
(
な
)
いて
下
(
くだ
)
され。もう
絶望
(
だめ
)
ぢゃ!
絶望
(
だめ
)
ぢゃ、
絶望
(
だめ
)
ぢゃ!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と書きて贈りしその花に
候
(
さふらふ
)
。奥村氏の
前庭
(
ぜんてい
)
の
紅木槿垣
(
べにむくげがき
)
に
這
(
は
)
ひまつはりしもその花に
候
(
さふらふ
)
。翌日は
早
(
はや
)
ほろほろと船室の中に
紅
(
べに
)
を
零
(
こぼ
)
し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一
同
(
どう
)
は
大動搖
(
だいどうえう
)
を
始
(
はじ
)
めた。
早
(
はや
)
く
中
(
なか
)
が
見
(
み
)
たいからである。けれども
永
(
なが
)
く
密閉
(
みつぺい
)
せられてある
岩窟
(
がんくつ
)
の
内部
(
ないぶ
)
には、
惡瓦斯
(
あくぐわす
)
を
發生
(
はつせい
)
して
居
(
ゐ
)
るに
相違
(
さうゐ
)
ない。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
氣
(
き
)
の
早
(
はや
)
い
子
(
こ
)
だねとお
京
(
きやう
)
の
諭
(
さと
)
せば、そんならお
妾
(
めかけ
)
に
行
(
ゆ
)
くを
廢
(
や
)
めにしなさるかと
振
(
ふり
)
かへられて、
誰
(
だ
)
れも
願
(
ねが
)
ふて
行
(
ゆ
)
く
處
(
ところ
)
では
無
(
な
)
いけれど
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
手持
(
てもち
)
の
品物
(
しなもの
)
ならば
成
(
なる
)
たけ
早
(
はや
)
く
之
(
これ
)
を
捌
(
さば
)
かう、
又
(
また
)
手持
(
てもち
)
の
品物
(
しなもの
)
を
成
(
なる
)
たけ
少
(
すくな
)
くしよう、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふことは
當然
(
たうぜん
)
の
結果
(
けつくわ
)
と
云
(
い
)
はなくてはならぬ。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
従来は
附木
(
つけぎ
)
だけはあったが「
早
(
はや
)
」なる形容詞を
冠
(
かぶ
)
せて通用させようとしても通用しなかった。「ランプ」を
行燈
(
あんどん
)
とも
手燭
(
てしょく
)
とも
翻訳
(
ほんやく
)
しない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
大井
(
おほゐ
)
、
中津川
(
なかつがは
)
の諸驛を過ぎて、次第に木曾の
翠微
(
すゐび
)
に
近
(
ちかづ
)
けるは、九月も
早
(
はや
)
盡きんとして、
秋風
(
しうふう
)
客衣
(
かくい
)
に
遍
(
あま
)
ねく、虫聲路傍に
喞々
(
しよく/\
)
たるの頃なりき。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
川沿
(
かはぞひ
)
の
公園
(
こうゑん
)
の
真暗
(
まつくら
)
な
入口
(
いりぐち
)
あたりから
吾妻橋
(
あづまばし
)
の
橋
(
はし
)
だもと。
電車通
(
でんしやどほり
)
でありながら
早
(
はや
)
くから
店
(
みせ
)
の
戸
(
と
)
を
閉
(
し
)
める
鼻緒屋
(
はなをや
)
の
立
(
た
)
ちつゞく
軒下
(
のきした
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
それには
答
(
こた
)
えずに、
藤吉
(
とうきち
)
の
手
(
て
)
から
羽織
(
はおり
)
を、ひったくるように
受取
(
うけと
)
った
春信
(
はるのぶ
)
の
足
(
あし
)
は、
早
(
はや
)
くも
敷居
(
しきい
)
をまたいで、
縁先
(
えんさき
)
へおりていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
清
(
きよ
)
に
命
(
めい
)
じた
通
(
とほ
)
りを、
小六
(
ころく
)
に
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
して、
早
(
はや
)
くして
呉
(
く
)
れと
急
(
せ
)
き
立
(
た
)
てた。
小六
(
ころく
)
は
外套
(
マント
)
も
脱
(
ぬ
)
がずに、すぐ
玄關
(
げんくわん
)
へ
取
(
と
)
つて
返
(
かへ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
借
(
かり
)
て
働
(
はたら
)
かせしが其の夜は
遲
(
おそ
)
く
成
(
なり
)
しかば翌朝
歸
(
かへ
)
しけるに
早
(
はや
)
辰刻頃
(
いつゝごろ
)
なるに隱居所の
裏口
(
うらぐち
)
締
(
しま
)
り居て未だ起ざる樣子なれば大いに
怪
(
あやし
)
み
何時
(
いつ
)
も早く目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
早
(
はや
)
りっ気で思い立つと足元から火の燃えだした様にせかせか
仕
(
し
)
だす癖が有るので始めの一週間ばかりはもうすっかりそれに気を奪われて居た。
秋毛
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
刀を執って戸を開いて見るに、そこには
早
(
はや
)
影も見えず、小屋の前の山をきわめて丈の高い男の下って行く後姿が、遠く月の光で見えたそうだ。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
内
(
うち
)
に
竹
(
たけ
)
が
疎
(
まば
)
らになると、
何本
(
なんぼん
)
も
杉
(
すぎ
)
が
竝
(
なら
)
んでゐる、——わたしは
其處
(
そこ
)
へ
來
(
く
)
るが
早
(
はや
)
いか、いきなり
相手
(
あひて
)
を
組
(
く
)
み
伏
(
ふ
)
せました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あそびには
早
(
はや
)
倦
(
う
)
みたり、姉ぎみと共にいづくへか
往
(
ゆ
)
きたまひし、」と問へば、「見晴らしよき岩角わたりまでゆきしが、この
尖塔
(
ピラミッド
)
には
若
(
し
)
かず、 ...
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
探
(
さが
)
したぞ。こんたな
処
(
どご
)
まで来て。
何
(
な
)
して
黙
(
だま
)
って
彼処
(
あそご
)
に
居
(
い
)
なぃがった。おじいさんうんと
心配
(
しんぱい
)
してるぞ。さ、
早
(
はや
)
く
歩
(
あ
)
べ。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
軍曹殿
(
ぐんそうどの
)
、
軍曹殿
(
ぐんそうどの
)
、
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
く、
銃
(
じう
)
を
早
(
はや
)
く‥‥」と、
中根
(
なかね
)
は
岸
(
きし
)
に
近寄
(
ちかよ
)
らうとしてあせりながら
叫
(
さけ
)
んだ。
銃
(
じう
)
はまだ
頭上
(
づじやう
)
にまつ
直
(
す
)
ぐ
差
(
さ
)
し
上
(
あ
)
げられてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
牝虎は二ないし五、六児を一度に産むが三疋が普通だ、その子を愛する事甚だしく最も注意してこれを守る、生れて二年目に
早
(
はや
)
自分で餌を求める
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
年が
暮
(
く
)
れて春がき、夏がきてまた秋がきた。
花前
(
はなまえ
)
もここに
早
(
はや
)
一年おってしまった。この
間
(
かん
)
、花前の一
身上
(
しんじょう
)
には、なんらの
変化
(
へんか
)
もみとめえなかった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「又左どの。——御辺と筑州とは、若年からの、
二
(
ふたつ
)
なき
別懇
(
べっこん
)
。戦いかくなるからは、この匠作に義理遠慮は
早
(
はや
)
要
(
い
)
り申さぬ。御分別よろしくあれや」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて、歳月流るる如く、米原氏が出雲言葉丸出しで私の玄関へ参ってから、
早
(
はや
)
三年になりました。三年という約束だから、或る日、私は米原氏に向い
幕末維新懐古談:78 谷中時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
遠慮を知らぬ金博士のことであるから、あわてるチーア卿を相手にせず、ごろりと横になると、
早
(
はや
)
ぐうぐうと
大鼾
(
おおいびき
)
。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「さあ、なければないのが
不思議
(
ふしぎ
)
なのです。おやおやお
日樣
(
ひさま
)
も
山
(
やま
)
がけへ
隠
(
かく
)
れた。ではお
早
(
はや
)
くおしまひになさいまし」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
愛
(
うつく
)
しと
吾
(
わ
)
が
念
(
も
)
ふ
妹
(
いも
)
は
早
(
はや
)
も
死
(
し
)
ねやも
生
(
い
)
けりとも
吾
(
われ
)
に
依
(
よ
)
るべしと
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
はなくに 〔巻十一・二三五五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
流石
(
さすが
)
に
明治
(
めいぢ
)
の
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
は
通
(
つう
)
の
通
(
つう
)
だけありて
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
を
早
(
はや
)
くも
無二
(
むに
)
の
本願
(
ほんぐわん
)
となし
俗物
(
ぞくぶつ
)
の
調子
(
てうし
)
を
合点
(
がてん
)
して
能
(
よ
)
く
幇間
(
たいこ
)
を
叩
(
たゝ
)
きてお
髯
(
ひげ
)
の
塵
(
ちり
)
を
払
(
はら
)
ふの
工風
(
くふう
)
を
大悟
(
たいご
)
し
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
さて
金屬
(
きんぞく
)
の
中
(
うち
)
で
一番
(
いちばん
)
早
(
はや
)
く
發見
(
はつけん
)
されたのはなんであるかと
申
(
まを
)
しますと、
金
(
きん
)
と
銅
(
どう
)
と
鐵
(
てつ
)
の
三種
(
さんしゆ
)
であつたようであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
悪
(
わる
)
いことは
言
(
い
)
わないから、そこに
放
(
ほ
)
ったらかしときなさい。そいで
早
(
はや
)
く
他
(
ほか
)
の
子達
(
こたち
)
に
泳
(
およ
)
ぎでも
教
(
おし
)
えた
方
(
ほう
)
がいいよ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
けれどもまち
子
(
こ
)
は
必
(
かなら
)
ずしも
癒
(
なを
)
らないとは
思
(
おも
)
はなかつた。そしてどうかして
早
(
はや
)
くなほしたいといつも
考
(
かんが
)
へてた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
K
氏
(
し
)
を
介
(
かい
)
しての、R
大使館
(
たいしかん
)
からの
招待日
(
せうたいび
)
だつたので、その
日
(
ひ
)
彼
(
かれ
)
は
袴
(
はかま
)
などつけて、
時刻
(
じこく
)
がまだ
早
(
はや
)
かつたところから、I
子
(
こ
)
の
下宿
(
げしゆく
)
へ
寄
(
よ
)
つて一と
話
(
はなし
)
してから
出
(
で
)
かけた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ではみんなよ、
早
(
はや
)
く
大
(
おお
)
きくなつて、
君
(
きみ
)
たちも
勇敢
(
ゆうかん
)
なプロレタリアの
鬪士
(
とうし
)
となつて、
君
(
きみ
)
たちや
君
(
きみ
)
たちのお
父
(
とう
)
さんお
母
(
かあ
)
さんを
苦
(
くる
)
しめてゐる
奴
(
やつ
)
らを
叩
(
たゝ
)
きのめしてくれ!
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
小田原
(
をだはら
)
から
先
(
さき
)
は
例
(
れい
)
の
人車鐵道
(
じんしやてつだう
)
。
僕
(
ぼく
)
は一
時
(
とき
)
も
早
(
はや
)
く
湯原
(
ゆがはら
)
へ
着
(
つ
)
きたいので
好
(
す
)
きな
小田原
(
をだはら
)
に
半日
(
はんにち
)
を
送
(
おく
)
るほどの
樂
(
たのしみ
)
も
捨
(
すて
)
て、
電車
(
でんしや
)
から
下
(
お
)
りて
晝飯
(
ちうじき
)
を
終
(
をは
)
るや
直
(
す
)
ぐ
人車
(
じんしや
)
に
乘
(
の
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それにしても君、今年の春は
早
(
はや
)
逝
(
ゆ
)
かんとするではないか。隣家の黒板塀からのさばり出た桃の枝は敗残の姿痛ましげに、今日も夕闇の空に輪郭をぼかしている。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
さすがの主人も、も
早
(
はや
)
落ついている訳には行きません。長吉というのは、程近き麓の町の芸妓なのです。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
引いたのじゃ。辻に唄う盲女にも劣る芸しか持たぬ、其方には
早
(
はや
)
要はない。それではこれでおさらばじゃ
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
その夜、たしかにロボのほえる声が聞こえたというので、
私
(
わたし
)
は大喜びで
翌朝
(
よくちょう
)
早
(
はや
)
く結果を見にでかけた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
日本人自ら言うところの不充分なるこの言葉と文章で以て
早
(
はや
)
千有余年前にこの充分進んだところの哲学……高尚なる仏学を日本人は解釈したのである。えらい力だ。
学問の独立と東京専門学校の創立
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
夕方
(
ゆふがた
)
の
空
(
そら
)
には、
一
(
いつ
)
ぱい
雲
(
くも
)
が
亂
(
みだ
)
れてゐて、あちらこちらに
早
(
はや
)
く
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐる
時
(
とき
)
に
吹
(
ふ
)
きおろす
山風
(
やまかぜ
)
が、あら/\しく
吹
(
ふ
)
いてゐる。その
目
(
め
)
にも
耳
(
みゝ
)
にも、すさまじい
景色
(
けしき
)
。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
日本
(
にほん
)
は
英佛米伊
(
えいふつべいい
)
の四
國
(
こく
)
と
共
(
とも
)
に
支那
(
しな
)
に
勸告
(
くわんこく
)
を
發
(
はつ
)
して、
早
(
はや
)
く
南北
(
なんほく
)
の
爭
(
あらそ
)
ひを
止
(
や
)
めて『
世界改造
(
せかいかいざう
)
の
偉業
(
ゐげふ
)
に
參加
(
さんか
)
せよ』とやつたね。
支那
(
しな
)
はお
蔭
(
かげ
)
で
南北合同
(
なんほくがふどう
)
の
大共和國
(
だいきようわこく
)
になるだらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
為に
早
(
はや
)
く人家ある所に
出
(
いづ
)
るの
方針
(
ほうしん
)
を
執
(
と
)
らざるべからざるを以て、
斯
(
か
)
く議論の
沸騰
(
ふつたう
)
したるなり。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「繁華でがんすとも。銀座でも日本橋でも
早
(
はや
)
あ話が此処の呉服町を広くして家を
大
(
いか
)
くしたようなもんさ。賑かなは人通りが
繁
(
しげ
)
いからでがんすよ。些っとも驚くことじゃねやあ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
早
常用漢字
小1
部首:⽇
6画
“早”を含む語句
早々
早晩
早速
早熟
早朝
早計
最早
早飛脚
早起
早暁
早急
早春
早処女
早咲
逸早
素早
早合点
足早
早苗
早打
...