“かしず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
75.3%
7.5%
斉眉7.5%
5.4%
2.2%
1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その翌日から、田山白雲の周囲まわりに、般若はんにゃめんを持った一人の美少年がかしずいている。それは申すまでもなく清澄の茂太郎であります。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
容姿ようしすぐれて美しく才気あり万事にさとせいなりければ、誘工ゆうこうの事すべてお政ならでは目がかぬとまでにたたえられ、永年の誘工者、伝告者として衆囚よりうやまかしずかれけるが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
叔母には下枝しずえ、藤とて美しき二人の娘あり。我とは従兄妹いとこ同士にていずれも年紀としは我よりわかし。多くの腰元に斉眉かしずかれて、荒き風にも当らぬ花なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は介山居士が千年樫の下に草庵を結んでいて、かしずく一人の弟子が私であったなら、どんなにいいだろうと思った。私は薪を拾い、水を汲み、畑を耕すだろう。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
伝え聞く、摩耶山忉利天王寺とうりてんのうじ夫人堂の御像おんすがたは、そのいにしえりょうの武帝、女人の産に悩む者あるをあわれみ、仏母ぶつも摩耶夫人まやぶにんの影像を造りて大功徳をしゅしけるを、空海上人入唐の時、我が朝にかしずき帰りしものとよ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの傷々いた/\しい、骸骨がいこつのようにせた老翁が、たま/\若い美しい妻をち得て、後生大事にその人にかしずき、それに満足しきっているらしい様子を見ては
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
たとい夫の左大臣は亡くなられても、矢張母は自分などの手の届かない雲の上の人、高貴の家の後室こうしつとして多くの人にかしずかれつゝ、立派な居館の玉簾たまだれの奥に朝夕を過しているものと想像された。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
けれど、わたしを真の子のように可愛がって下された王允様は、行く末は必ず、凜々りりしい英傑の士を選んでかしずけてやるぞ——といつも仰っしゃって下さいました。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)