かしず)” の例文
新字:
あの傷々いた/\しい、骸骨がいこつのようにせた老翁が、たま/\若い美しい妻をち得て、後生大事にその人にかしずき、それに満足しきっているらしい様子を見ては
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
たとい夫の左大臣は亡くなられても、矢張母は自分などの手の届かない雲の上の人、高貴の家の後室こうしつとして多くの人にかしずかれつゝ、立派な居館の玉簾たまだれの奥に朝夕を過しているものと想像された。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)