“金屑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かなくず75.0%
きんくず25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の小さいブランコのつるしてあった、その無花果の木の或る枝の変にくねった枝ぶりだとか、あるときの庭土のかおりだとか、或いはまた金屑かなくずのにおいだとか
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
国の土蔵の一つに、がらくた道具ばかり這入はいっているのがある。何に使ったものか、見慣れない器、け損じて何の片割れとも知れない金屑かなくずや木の切れがある。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
袋をあげては板へ落す、という単調でまのぬけた動作であるが、そうやっていると、微量のきんが麻袋に付くので、一定の期間をおいて袋を焼けば、溜った金屑きんくずがとれるのだという。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こんな火のけもないあがりっぱたで、天下の通用金から僅かばかりの金屑きんくずをへずるために、小僧一人をこんなふうに使うとは、これだけの大店おおだなとして恥ずかしくないのかな、と栄二は思った。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)