“直衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のうし80.6%
なおし6.5%
なほし6.5%
ひたたれ4.8%
ちよつき1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左大将、左衛門督さえもんのかみ藤参議とうさんぎなどという人たちも皆お供をして出た。皆軽い直衣のうし姿であったのが下襲したがさねを加えて院参をするのであった。
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
重盛は、烏帽子に直衣なおしという平服姿で、さらさらと衣ずれの音をさせながら、終始、落着き払って、清盛の座所にやってきた。
程なく多くの足音聞ゆる中に、沓音くつおと高くひびきて、烏帽子ゑぼし七七直衣なほしめしたる貴人、堂に上り給へば、従者みとも武士もののべ四五人ばかり右左みぎひだりに座をまうく。
皆黄いろな頭巾を被って、鎧を着、錦の直衣ひたたれを着けて、手に手に長いほこを持っていた。武士は壇の下へきて並んで立った。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小川家の離室はなれには、画家の吉野と信吾とが相対してゐる。吉野は三十分許り前に盛岡から帰つて来た所で、上衣を脱ぎ、白綾の夏直衣ちよつきの、そのボタンまではづして、胡坐あぐらをかいた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)