“ひたたれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
直垂76.6%
戦袍6.5%
3.9%
直垂衣3.9%
直衣3.9%
袍衣1.3%
直帯1.3%
素袍1.3%
錦袍1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その深夜をおかし、雨を冒して来た客の二人は、二人とも、直垂ひたたれからはかまごし、太刀の緒まで、片袖ずつ、ぐっしょり濡れて坐っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白銀しろがねよろい、白の戦袍ひたたれを着た大将を先頭にし、約二千ばかりの敵が、どこを渡ってきたか、逆襲してきます。——いや、うしろのほうからです」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日、曹操は、七宝の金冠をいただき、緑錦りょっきんひたたれを着、黄金こがねの太刀を玉帯に佩いて、足には、一歩一歩燦爛さんらんと光を放つ珠履しゅりをはいていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一室のうちで、善信は法衣ころもを脱いだ。朽葉色の直垂衣ひたたれに着かえ、頭には、梨子打なしうち烏帽子えぼしかむる——。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このとき、次男源大夫判官兼綱、この日紺地の錦の直衣ひたたれ唐綾縅からあやおどしの鎧を着て奮戦していたが、父の危急をみると、ただちにとって返して防ぎ戦った。
と、まず張遼の手から路銀を贈らせ、なお後の一将を顧みて、持たせてきた一領の錦の袍衣ひたたれを取寄せ、それを関羽に餞別はなむけせん——とこういった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張遼は、曹操から早口にいいつけられて路用の金銀と、一襲ひとかさね袍衣ひたたれとを、あわただしく持って、すぐ後から鞭を打った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
髪をお河童かっぱに、赤い直帯ひたたれを着た禿童と呼ばれる面々は、街々の角々で、一寸ちょっとしたうわさばなしにさえ、聞耳をたてていた。
なぜならば馬謖は無色の素袍ひたたれを着し、白革しろかわの胸当をつけ、いわゆる喪服もふくしていたからである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして自分の錦袍ひたたれの袖で、娘の容顔かんばせをふいてやった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)