しょう)” の例文
旧字:
汝が他人の言を容れざるはこれ汝が高慢不遜なるのしょうなり、汝は自己を以て最も才智ある最も学識ある最も経験あるものと致すや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかしわたしすこしも身体からだ異状いじょういです、壮健そうけんです。無暗むやみ出掛でかけることは出来できません、どうぞわたし友情ゆうじょうのことでなんとかしょうさせてください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
江戸末期の芸術における写実の傾向は演劇絵画文学諸般にわたりて文化以降深刻の余りついに極端に走れり。『北斎漫画』中これらのしょうとなすもの多し。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もう此処が辛抱の仕処しどころだから、わしは一生懸命に稼いで親父にしかとした辛抱のしょうを見せてうちへ帰る積りだが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
精神未熟といわんより理想高き性格の高潔なるをしょうするものだ、といって僕をなぐさめてくれたことがあったが、かくいえば、あるいは新渡戸にとべやつめが自分の不足なるところを
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その子成人ののち、命なりけり小夜の中山とつねに口ずさみ、諸国をめぐつてついに池田の宿にてかの盗賊のかたきにであひ、親のかたきをやす/\と討ちしとぞ。そのしょうつまびらかならず
小夜の中山夜啼石 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし諸国を経歴したとある其の諸国とは何処何処であったろうかというに、西は播磨はりま、東は三河にまで行ったことは、しょうがあって分明するから、なお遠く西へも東へも行ったかと想われる。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すれば罪人は誰なるや此罪人がプラトを連居つれいたる事は店番のしょうこゝにて明白なれば何しろプラトが我主人の如く就従つきしたがう人なるには相違なしプラトは余等にむかいても幾度か歯を露出むきいだせし程なる故
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
踏む石は天鵞毧びろうどのごとくやわらかと見えて、足音をしょうにこれをりっすれば、動かぬと評しても差支さしつかえない。が輪廓は少しく浮き上がる。余は画工だけあって人体の骨格については、存外ぞんがい視覚が鋭敏である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これにて神仙の存在ははなはだ確実なることがしょうせられると思います。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
仏国がことに幕府を庇護ひごするの意なかりし一しょうとして見るべし。
「うむ。盟約めいやくしょうじゃ」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼の弟子を迫害しながら神に尽くしつつありしと信ぜしものもありしにあらずや、約百ジョブの友は彼の不幸艱難を以て彼の悪人たるのしょうとなせり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
『おおきみ、ねえ、きみぼくせつなる意中いちゅうしんじて、ぼく親友しんゆうみとめてくれることをしょうしてくださるでしょうね……え、きみ!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
滑稽諧謔は徳川氏の治世ちせいに及び上下一般を通じていよいよその時代の精神をなすに至るの観あり。浅井了意あさいりょうい戸田茂睡とだもすい井原西鶴いはらさいかくの著作いづれもそのしょうとなすに足る。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
又「隠しはしねえ、僕が真実ほんとに預り証書を持って居ても、これをしょうにして訴える訳にはいかん、三百円貰ったのがあやまりだから仕方がねえ、役に立たぬ証書じゃねえか」
誰かと云うて顔色を変えて……迂濶うっかりした事は云えない、しかと是はと云うしょうもなし、何も僕がその密夫と同衾ひとつねていた処を見定めた訳では無いけれども、何うも怪しいと云うのは
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なれども確かなしょうがないから其の儘打捨ておかれたのであるが、少女に討たれるくらいの事だから、最早どうせ其の方助かりはしない、さア汝も武士だから隠さず善之進を討ったら討ったと云え
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お泊りがけのお方で、何処どこなんというしっかりとした何かしょうがないと、お寺も中々やかましくって請取うけとりませんが、わたくしどもの親類か縁類えんるいの人が此方こっちへ来て、死んだような話にして、どうか頼んで見ましょう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
警「先方から先に手出しをしたしょうがあるか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鳶「しょう、な何が証拠だ」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)