しょう)” の例文
また戴宗たいそうも、このままでは高唐州へ帰りもならず、何かと、思案顔である。——とかくして、その夜は、一清の家の草堂に、しょうを分けて眠り合った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼裏がんりちりあれば三界はせまく、心頭しんとう無事ぶじなれば一しょうかんなり」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
それから彼は、日夜、大酒をあおって、禁中の宮内官といい、後宮の女官といい、気に入らぬ者は立ちどころに殺し、夜は天子のしょうに横たわって春眠をむさぼった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
客の二人にしょうを与えて、眠りをすすめ、劉備と母のふたりは、暗いくりやの片隅で、藁をかぶって寝た。劉が眼をさましてみると、母はもういなかった。夜は明けていたのである。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「明日はこくに、董太師がお越しになる。一家の名誉だし、わし一代のお客だ。必ず粗相そそうのないように」と、督して、地には青砂をしき、しょうには錦繍きんしゅうをのべ、正堂の内外には、とばりや幕をめぐらし
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)