しょう)” の例文
春宵の夢魂、まだ醒めやらぬ顔して、董卓は、その巨躯を、鴛鴦えんおうしょうに横たえていたので、唐突な彼の跫音に、びっくりして身を起した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無礼な奴、誰だ?」と一族の者が覗いてみると、孟獲の妻の祝融夫しゅくゆう人が、しょうって長々と昼寝していたのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫策は、しょうに起き直ろうとしたが、人々がいてとめた。わりあいに彼の面色は平静であったし、眸も澄んでいた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とう太師のやかたともなわれて行ったという貂蝉が、どんな一夜を明かしているかと、妄想をたくましゅうして、果ては、しょうのうえにじっとしていられなくなった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
となお、大事をとって、彼のすきをうかがっていると、董卓はひどく肥満しているので、少し長くその体をしょうに正していると、すぐくたびれてしまうらしい。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
共にし、寝てはしょうを同じゅうして睦み、起きては卓を一つにして箸を取っておるなど、ご寵用ちょうようも度が過ぎる
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間に、呂布は、顔いろをさとられまいと、しょうの裾へ退いた。——そして董卓の背をなでている貂蝉の真白な手を、物にかれた人間のように見つめていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「者ども、警備を怠るな」と、張飛は張切って、日夜、望楼に立ち、家兄玄徳の軍旅の苦労をしのんで、自分も軍衣を解いてしょうに長々と寝るということもなかった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と同時に、周瑜は、衣も脱がず帯も解かず、泥酔狼藉、しょうをよそに、床の上へ仆れて寝てしまった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから幾ら望楼の上だの、彼のしょうのある閣などを兵が探しまわっても、姿が見えないはずだった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
董相国は、しょうの上に身を投げだして、茶をのんでいる様子。側には、きっと、呂布りょふが侍立していた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こよいは上元じょうげん佳節かせつというので、親族や知己朋友が集まっていた。董承も病室ではあるが、吉例として数献すうこんの酒をかたむけ、いつかとろとろとしょうによって眠ってしまった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まどろむほどの間もないが、しょうに寄って、玄徳もひとり居眠っていると、孫乾そんけんがそっと訪ねて
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば、孫策は、しょうを離れて床のうえに俯伏うつぶしていた。しかも、手には剣のさやを払って。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蒋幹はあわてて燈火ともしびをふき消した。そしてしばらく様子を見ていたが、また大いびきをかいて寝入ったらしいので、自分もそっと、ふすまを打ちかついでしょうのうえに横たわっていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背をなでて、ともにしょうへ憩い、侍女に酒を酌ませて、自ら貂蝉の唇へ飲ませてやった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして一亭のしょうに席を与えて質問した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)