しょう)” の例文
「音楽が正しくなり、しょうもそれぞれその所を得て誤用されないようになったのは、私が衛から魯に帰って来たあとのことだ。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かく日々に切なる渇仰かつごうの念は、ついに彼を駆って伯をしょうする詩を作ることを思い立たしめた。一気呵成、起句は先ず口をいて出た。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
我歌をよみ詩をしてしょうせん讃せん詠ぜん記せんと、おのおの互いに語り合いしは欲のみならぬ人間ひとの情の、やさしくもまた殊勝なるに引き替えて、測りがたきは天の心
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
妊娠した婦人はおのが寝室に美しい彫像を飾り、美しい詩をしょうすることによって生れづる子の美しさのみを祈ったということが、文献のすべてによって物語られております。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
沖縄に於ては古来主権者の更迭こうてつが頻繁であったために、生存せんがためには一日も早く旧主人の恩を忘れて新主人の徳をしょうするのが気がきいているという事になったのである。
沖縄人の最大欠点 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
侍中の王粲おうさんは、曹操の徳をしょうした長詩をつくって、これを侍側の手から彼に見せたりした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が勅許ちょっきょを経ずして米国仮条約に調印したるが如きは、開国に向って大歩急転したる偉業にして、彼が開国家としての功徳しょうすべきもの浅からずといえども、これ彼が自動的にしかせしにあらず
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ここ独龍岡どくりゅうこうの城門の大手には、巨大な青石に、一篇のしょうきざんである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下おおいに喜びて徳をしょうせざる無し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
孔明をしょうした後人の詩は多いがこれは代表的な杜子美としびの一詩である。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)