しょう)” の例文
旧字:
で、手にあました浜松城はままつじょう武士ぶしや、石見守いわみのかみからうったえたものであろう、御岳神社みたけじんじゃ衛士えじたちが数十人、ご神縄しんじょうしょうする注連縄しめなわを手にもって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余事ではあるが、嵐雪というのは芭蕉の主な弟子の一人で、其角とならびしょうせられ、芭蕉の門人に其角、嵐雪ありと言ったと言われおる男である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その才をしょうし、其学を勧め、の流れて文辞の人とならんことを戒め、其のふるって聖賢の域に至らんことを求め、他日また再び大道を論ぜんことを欲す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
じっさいそれは、アメリカだちょうと、しょうせらるるものであった。全身は灰色で、その肉は佳味かみをもってしょうせらる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
当時秋月には少壮者しょうそうしゃの結べるたいありて、勤王党としょうし、久留米などの応援おうえんを頼みて、福岡より洋式ようしきの隊来るを、さかいにて拒み、遂に入れざりしほどの勢なりき。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
創作家が、自分の主観で、勝手に空想し捏造ねつぞうした虚構きょこうの事件は、それを表現してもしんの芸術とはしょうし難い。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
僕の知れるぼう貴夫人はすこぶる高潔なる家庭に人となり、貞淑ていしゅくをもってしょうせられているが、あるとき僕に
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
某大国宰相ぼうたいこくさいしょうの特使だとしょうする人物が、このたび金博士きんはかせもとにやってきた。
少しわきのほうには、讃美歌さんびか器用きようにこなす子供たちがならんでいて、そのなかの一人はいつもうたす前に、そっといろいろな声でうなるような真似まねをする——これをしょうして、調子ちょうしめるというのだ。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
「李白一斗詩百篇、みずかしょうしんはこれ酒中しゅちゅうせん
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
兵法へいほうに申す、小河しょうがひがしにあるを田沢でんたくといい、流水りゅうすいみなみにあるを青龍せいりゅうとよび、西に道あるを朱雀すじゃくづけ、北に山あるを玄武げんぶ、林あるを白虎びゃっこしょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「女の一生」とか、「ベラアミ」とか、云う、の傑作としょうせられて居る作品を、誰が見たって、正直なる「自然の再現」だと感ずる者はありゃしないだろう。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なんのために勇をふるうかといえば、義のためにするのである。義を見てなせばこそ勇としょうすれ、不義と知りながら行えば、いかに奮闘してもそれはきょうたるを免れぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
とくに数多あまたの先生に対しては単に教師と生徒の関係以上に深い尊敬と親しみをもっていた。校長は修身を受け持っているので、生徒は中江藤樹なかえとうじゅしょうをたてまつった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
我国で魔法の類のしょうを挙げて見よう。先ず魔法、それから妖術、幻術、げほう、狐つかい、飯綱いづなの法、荼吉尼だきにの法、忍術、合気あいきの術、キリシタンバテレンの法、口寄せ、識神しきじんをつかう。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一塁手は「旗竿はたざお」としょうせられる細長い大工の子で、二塁手は「すずめ」というあだ名で駄菓子屋の子である、すずめはボールは上手じょうずでないが講釈がなかなかうまい
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
古来から極めて尊重されて来た「百姓」というしょうを、かくの如く、あいてを罵る場合や、軽蔑の意味につかい始めて来たのも、江戸に住む近頃の小市民からであった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普通一般の人はみずから耶蘇教徒やそきょうとなりとしょうしながら、この柔和にゅうわの道を守らなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
されば内容は文章体でつづってあり検校のことも三人しょうで書いてあるけれどもおそらく材料は検校が授けたものに違いなくこの書のほんとうの著者は検校その人であると見て差支さしつかえあるまい。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
西へ入って袋の如くになっているから西袋というしょうも生じたのであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それは、富士男の父の所有する、スクーナーとしょうする帆船はんせんで、この団体は夏期休暇を利用して、近海航行についたのが暴風雨ぼうふううになやまされて、東へ東へと流されたのであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
武道ぶどう表芸おもてげい弓術きゅうじゅつ剣法けんぽうはもちろんのこと、火術かじゅつ棒術ぼうじゅつ十手術じってじゅつくさり鉄球てっきゅう手裏剣しゅりけん飛道具とびどうぐもよし、あるいは築城ちくじょう縄取なわどりくらべ、伊賀いが甲賀こうが忍法しのびほうも試合にいれ、かの幻術げんじゅつしょうする一わざでも
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
投手は馬夫まごの子で松下というのである、かれは十六であるが十九ぐらいの身長があった。ちいさい時に火傷やけどをしたので頭に大きなあとがある、みなはそれをあだ名して五大洲だいしゅうしょうした。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
もう一つの木は、南米およびその付近ふきんの島だけに生ずる、アルガロッペとしょうするもので、これも酒をつくることができる、一同はゴルドンの指揮しきしたがって、この二種の木の実を採集さいしゅうした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)