“虚構”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うそ43.8%
きょこう25.0%
おち6.3%
こしら6.3%
でたらめ6.3%
みせかけ6.3%
フイクシヨン6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は彼女がコンナにまで深刻な、根気強い虚構うそを作って、私たちを陥れる必要が何処に在るのかイクラ考えても発見出来なかった。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
(おそらく、その間に、越前守は、自己の立場を守るため、あらゆる虚構きょこうの工作を、あわててやっているのだろう)
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾々みたいな粗笨あらっぽい頭では、どこに虚構おちが在るか見当が附かないんだ。そこで止むを得ず受太刀うけだちにまわって、南鮮沿海の漁民五十万の死活に関する所以ゆえんを懇々と説明すると
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
虚構こしらえるぜ!」と冷笑わらった。大坊主はじろりと顔を見た。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もう斯う心機が一転しては、彼様あんな女に関係している気も無くなったから、女とは金で手を切って了った。其時女の素性も始めて知ったが、当人の言う所は皆虚構でたらめだった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
僕達は笑ひ顔に馴れてゐない、そのために、下手な笑ひが変な虚構みせかけに思はれるのだと想像し合つた。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
それにはもつと複雜な精神作用が、百パアセントの虚構フイクシヨンが必要だ。よい小説とは言はば「嘘から出た眞實まこと」だ。本當の小説家は、いつも眞實を語るため虚僞を使用する。
詩人も計算する (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)