“虚構(うそ)” の例文
私は彼女がコンナにまで深刻な、根気強い虚構(うそ)を作って、私たちを陥れる必要が何処に在るのかイクラ考えても発見出来なかった。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
腸チブスの予後にあるものが、食欲がない……そんなしらじらしい虚構(うそ)があるものか。みんな虚構(うそ)だ。岡のいう事もみんな虚構(うそ)だ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
第一、あの娘(こ)がだね。姫草ユリ子が、何の必要があってソンナ骨の折れる虚構(うそ)を巧謀(たくら)むのか、その理由が判明(わか)らんじゃないか。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
昨夜は病院に泊まらなかったという、それも虚構(うそ)でなくてなんだろう。愛子の熱情に燃えた手を握り慣れた岡の手が、葉子に握られて冷えるのももっともだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
勿論あの女……何とか言いましたね……そうそうユリ子からも一文も来ないそうで、お話の奈良漬の一件や何かも彼女の虚構(うそ)らしいのです。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
君の手から出たタネだという事も、絶対秘密にするのは無論の事、将来キット恩に着るよ。あの記事が虚構(うそ)となったら君の新聞でも困るじゃろう
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……それが虚構(うそ)だと云わっしゃるなら、この窓の処へ来て見さっせえ。あの向うに見える絶影島のズット右手に立派な西洋館が建っておりましょう。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……そのほかに爆薬の出て来る処は無いか……と仰言(おっしゃ)るのですか。ヘエ。それあ在るという噂は確かに聞いておりますが、本当か虚構(うそ)かは私も保証出来ません。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すべては虚構(うそ)であった。一切は芝居であった。そうして全部は私の敵に外ならなかった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……ナアニ……ヨタじゃないったら……恐ろしく疑い深い読者だね君は……虚構(うそ)だと思うならイツ何時(なんどき)でも本人に紹介してやるよ。スグこの向うの七号室に居るのだから訳はない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕は飛んでもない呪詛(のろい)にかかっているのです。イイエ。虚構(うそ)じゃありません。卒業論文なんかに呪詛(のろ)われて、神経衰弱にかかったんじゃありません。別にチャンとした原因があるのです。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
全部が虚構(うそ)になって終(しま)う虞(おそ)れがありますので……詰(つま)るところそのお話の筋道に、直接の体験を持っておいでになる貴方が、その深刻不可思議な体験を御自身に思い出されたものでなければ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)