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誦
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しょう
ふりがな文庫
“
誦
(
しょう
)” の例文
寺の僧侶が
毎朝
(
まいちょう
)
早起
(
そうき
)
、
経
(
きょう
)
を
誦
(
しょう
)
し粗衣粗食して寒暑の苦しみをも
憚
(
はばか
)
らざれば、その事は直ちに世の利害に関係せざるも、本人の精神は
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
女流詩人らが息を切らし汗を流しながら、シュリー・プリュドンムやオーギュスト・ドルシャンの詩句を、
朦朧
(
もうろう
)
たる調子で
誦
(
しょう
)
した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その俳句文章には
誦
(
しょう
)
すべきものが
尠
(
すくな
)
くない。子は別に不願醒客と号した。白氏の自ら酔吟先生といったのに
倣
(
なら
)
ったのであろうか。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時に五七の句調など用ひて、趣向も文章も
天晴
(
あっぱ
)
れ時代ぶりたれど、これかへつて少年には、
誦
(
しょう
)
しやすく解しやすからんか。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
といえる有様の
歴々
(
ありあり
)
と目前に現われ、しかも妾は禹の位置に立ちて、禹の言葉を口に
誦
(
しょう
)
し、竜をして
遂
(
つい
)
に
辟易
(
へきえき
)
せしめぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
賽児
(
さいじ
)
は
蒲台府
(
ほだいふ
)
の
民
(
たみ
)
林三
(
りんさん
)
の妻、
少
(
わか
)
きより仏を好み経を
誦
(
しょう
)
せるのみ、別に異ありしにあらず。林三死して
之
(
これ
)
を郊外に
葬
(
ほうむ
)
る。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
陸上競技の
投
(
な
)
げ
槍
(
やり
)
などを買いもとめてバルヂンという彼の作中人物の愛吟を高らかに
誦
(
しょう
)
しつつアテナイの市民、アテナイの選手を気どって我が家に帰る。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「よし、行こう。漢陽に行こう。連れて行ってくれ。
逝者
(
ゆくもの
)
は
斯
(
かく
)
の如き
夫
(
かな
)
、昼夜を
舎
(
す
)
てず。」てれ隠しに、
甚
(
はなは
)
だ唐突な詩句を
誦
(
しょう
)
して、あははは、と自らを
嘲
(
あざけ
)
った。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
わたしはこの春酒に酔い、この
金鏤
(
きんる
)
の歌を
誦
(
しょう
)
し、この好日を喜んでいれば不足のない侏儒でございます。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今度は
笈摺
(
おいずり
)
に向って何やら頻りに呪文のようなことを
誦
(
しょう
)
しながら珠数をじゃら/\
揉
(
も
)
み鳴らしています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「もののふの矢なみつくろふ」の歌の如き、鷲を吹き飛ばすほどの荒々しき趣向ならねど、調子の強き事は並ぶ者なく、この歌を
誦
(
しょう
)
すれば
霰
(
あられ
)
の音を聞くが如き心地致候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また、人の書を読み経を
誦
(
しょう
)
するに当たり、そのはじめは心を用い意を注ぎてこれをなし、数回反復の後は口に任せて自然に読誦することを得るに至るも、この一例なり。
妖怪玄談
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
温は一
誦
(
しょう
)
して
善
(
よ
)
しと称した。温はこれまで七たび挙場に入った。そして
毎
(
つね
)
に堂々たる男子が苦索して一句を成し得ないのを見た。
彼輩
(
かのはい
)
は皆遠くこの少女に及ばぬのである。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
清三はその時女にその詩の意味を解いて聞かせて、ふたたび声を低くして
誦
(
しょう
)
した。二人の間にそれがあるかすかなしかし力ある愛情を起こす動機となったことを清三は思い起こした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
文八は、口のうちでいちど読んでから、
低声
(
こごえ
)
で
誦
(
しょう
)
した。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この詩を
誦
(
しょう
)
する者は、その財を盗まるることなからむ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
誦
(
しょう
)
すべくして解すべからずでよろしい。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宣揚は二度も三度も朗朗と
誦
(
しょう
)
した。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
シュルツはゲーテとメーリケとの詩句を
誦
(
しょう
)
した。クリストフは詩がたいへん好きだった。しかしその詩を一句も聞き止めることができなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
わたくしは
齠齔
(
ちょうしん
)
のころ、その時代の習慣によって、
夙
(
はや
)
く既に『大学』の
素読
(
そどく
)
を教えられた。成人の後は儒者の文と詩とを
誦
(
しょう
)
することを
娯
(
たの
)
しみとなした。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「もののふの矢なみつくろふ」の歌のごとき鷲を吹き飛ばすほどの荒々しき趣向ならねど、調子の強きことは並ぶものなくこの歌を
誦
(
しょう
)
すれば
霰
(
あられ
)
の音を聞くがごとき心地致候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
又
嘗
(
かつ
)
て
貴州
(
きしゅう
)
金竺
(
きんちく
)
長官
司羅永菴
(
しらえいあん
)
の
壁
(
へき
)
に題したまえる七律二章の如き、皆
誦
(
しょう
)
す可し。其二に曰く
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と言い、それから、そのバイロンの詩句を原文で口早に
誦
(
しょう
)
して、私のからだを軽く抱いた。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
抽斎は『
礼
(
れい
)
』の「
清明在躬
(
せいめいみにあれば
)
、
志気如神
(
しきしんのごとし
)
」の句と、『
素問
(
そもん
)
』の
上古天真論
(
じょうこてんしんろん
)
の「
恬惔虚無
(
てんたんとしてきょむならば
)
、
真気従之
(
しんきこれにしたがう
)
、
精神内守
(
せいしんうちにまもれば
)
、
病安従来
(
やまいいずくんぞしたがいきたらん
)
」の句とを
誦
(
しょう
)
して、修養して心身の
康寧
(
こうねい
)
を致すことが出来るものと信じていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
の如き
艶体
(
えんたい
)
の詩を
誦
(
しょう
)
し得るなり。またかつて中国に遊び給ひける時
姑蘇
(
こそ
)
城外を過ぎて
妓
(
ぎ
)
に贈り給ひし作多きが
中
(
なか
)
に
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
牧師が来ていて、彼のために最後の祈祷を
誦
(
しょう
)
していた。老人は枕の上に助け起こされた。重々しく眼を開いた。その眼ももはや意のままにならないらしかった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
誦
(
しょう
)
するにも
堪
(
た
)
へぬ芭蕉の俳句を註釈して
勿体
(
もったい
)
つける俳人あれば、縁もゆかりもなき句を刻して芭蕉塚と
称
(
とな
)
へこれを尊ぶ俗人もありて、芭蕉といふ名は徹頭徹尾尊敬の意味を表したる中に
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
静軒は
滑稽諧謔
(
こっけいかいぎゃく
)
の才あるに任せ
動
(
やや
)
もすれば好んで
淫猥
(
いんわい
)
の文字を
弄
(
もてあそ
)
んだが、しかしその論文には学識
頗
(
すこぶる
)
洽博
(
こうはく
)
なるを知らしむるもの
鮮
(
すくな
)
からず、またその詩賦には風韻極めて
誦
(
しょう
)
すべきものが多い。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
クリストフは
頑
(
がん
)
として
聴
(
き
)
き入れず、二人の友の幸福なさまをうれしげにながめてる人のよいモークが腹をたてるのも構わずに、フランスの古い
諺
(
ことわざ
)
を勝手に意地悪くもじって
誦
(
しょう
)
してきかした。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
雨の
小息
(
こや
)
みもなく降りしきる響を、狭苦しい人力車の
幌
(
ほろ
)
の中に聞きすましながら、
咫尺
(
しせき
)
を弁ぜぬ暗夜の道を行く時の情懐を述べた一章も、また『お菊さん』の書中最も
誦
(
しょう
)
すべきものであろう。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしクリストフがいかに願っても、それを
誦
(
しょう
)
する気にはなりかねた。けれどもついに、感動のあまりむちゃくちゃな口調でその二、三句を聞かした。クリストフはそれを崇高なものだと思った。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼はシルレルの有名な一節のある句を
誦
(
しょう
)
した。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
誦
漢検1級
部首:⾔
14画
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誦経
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讀誦
大誦
誦念
諷誦文
誦読
愛誦
吟誦
拝誦
伝誦
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