“笈摺”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おいずる55.0%
おいずり25.0%
おひずり10.0%
おひずる10.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その声は、お雪に違いありませんが、その姿は、純白な笠に、純白の笈摺おいずるに、そうして銀のような柄杓ひしゃくを携えた巡礼姿であります。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すげの笠を買うて来て、法達ほうたつに頼んで同行二人どうぎょうににんと書いて呉れえとか、それから白の脚半きゃはんも拵え笈摺おいずるも拵えたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
笈摺おいずる菅笠すげがさと言えば、きまった巡礼の扮装いでたちで、絵本のも、芝居で見るのも、実際と同じ姿でございます。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
笈摺おいずるも古ぼけて、旅窶たびやつれのした風で、白の脚絆きゃはんほこりまぶれて狐色になっている。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
巡礼というのは、まだ三十歳ばかりの女で、菅笠すげがさ手甲てっこう脚絆きゃはん笈摺おいずる、みなさっぱりしたみなりでしたが、胸に赤ん坊をだいていました。
山の別荘の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
と二人が声を揃えて怒鳴り付けるうちに一作が、女の襟首へ手をかけると、古びた笈摺おいずり背縫せぬい脇縫わきぬいが、同時にビリビリと引離れかかった。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
中に荒縄の太いので、笈摺おいずりめかいて、ともした角行燈かくあんどんになったのは天狗である。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その反対の角隅には、道者の笈摺おいずりを枕元に据えて、人一人が布団を冠って臥ておりました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
白木綿に朱印をベタベタとした巡礼の笈摺おいずりを素肌に引っかけて、腰から下に色々ボロ布片きれを継合わせた垢黒あかぐろい、大きな風呂敷ようのものを腰巻のように捲付まきつけている恰好を見ると、どうやら若い女らしい。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
笈摺おいずりをかけて涼しやなぎの枝 自笑
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
うすの、かじかんだお盥結たらひむすびで、えり手拭てぬぐひいてる、……きたな笈摺おひずりばかりをにして
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「アイ、笈摺おひずりもな、兩親ふたおやのある子やゆゑ兩方はあかね染……」の一段になつて、予も始めて、はつと幻想の世界に落ち込んだやうな心持がした。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
笠ははね飛ばされて、月代さかやきの青い地頭が出て居りますが、白粉を塗つて、引眉毛、眼張りまで入れ、手甲、脚絆から、笈摺おひずるまで、芝居の巡禮をそのまゝ、此上もない念入りの扮裝こしらへです。
初旅はつたび笈摺おひずるすがたすずふりて、
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
笈摺おひずるへ、薄ら花ちるうららかさ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)