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笈摺
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おいずり
ふりがな文庫
“
笈摺
(
おいずり
)” の例文
と二人が声を揃えて怒鳴り付けるうちに一作が、女の襟首へ手をかけると、古びた
笈摺
(
おいずり
)
の
背縫
(
せぬい
)
と
脇縫
(
わきぬい
)
が、同時にビリビリと引離れかかった。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今度は
笈摺
(
おいずり
)
に向って何やら頻りに呪文のようなことを
誦
(
しょう
)
しながら珠数をじゃら/\
揉
(
も
)
み鳴らしています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
孰
(
いず
)
れも心岳から前山に連る尾根上の小平地天狗平に於て相会し、それより心岳の登りとなり、
笈摺
(
おいずり
)
、
貝摺
(
かいずり
)
などいう峻坂を鉄鎖に依りて攀じ上り山頂に至るのである。
那須、尾瀬、赤城、志賀高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
中に荒縄の太いので、
笈摺
(
おいずり
)
めかいて、
灯
(
とも
)
した
角行燈
(
かくあんどん
)
を
荷
(
にな
)
ったのは天狗である。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
笈摺
(
おいずり
)
をかけて涼しや
梛
(
なぎ
)
の枝 自笑
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
▼ もっと見る
その反対の角隅には、道者の
笈摺
(
おいずり
)
を枕元に据えて、人一人が布団を冠って臥ておりました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
白木綿に朱印をベタベタと
捺
(
お
)
した巡礼の
笈摺
(
おいずり
)
を素肌に引っかけて、腰から下に色々ボロ
布片
(
きれ
)
を継合わせた
垢黒
(
あかぐろ
)
い、大きな風呂敷
様
(
よう
)
のものを腰巻のように
捲付
(
まきつ
)
けている恰好を見ると
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
笈
漢検準1級
部首:⽵
10画
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
“笈摺”で始まる語句
笈摺草紙