“小息”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おや50.0%
こや50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空模様はにわかに変って、南風なんぷうに追われる暗雲の低く空を行き過る時、大粒の雨はつぶてを打つように降りそそいではたちまむ。夜を徹して小息おやみもなく降りつづくこともあった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雨の小息こやみもなく降りしきる響を、狭苦しい人力車のほろの中に聞きすましながら、咫尺しせきを弁ぜぬ暗夜の道を行く時の情懐を述べた一章も、また『お菊さん』の書中最もしょうすべきものであろう。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)