しょう)” の例文
しょうの鳴るごとに、武蔵は、悔いのみを揺すぶられた。ひしひしと後悔されることばかりへ追憶がゆくのである。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奈良へ行くと猿沢の池の次が、十三しょう所謂いわゆる石子詰いしこづめ」の有ったと云われている所であるが、一時間名所を廻って一円の車屋や、名所一廻り三十銭の案内人が
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
他国たこくてらから、おおきなぼんしょうをこのまちでひきうけたのは、それからのちのことでありました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
うす暗い本堂の内陣脇ないじんわきで、一人の中年僧が、お勤めをしていたのだが、ふつうの勤行ごんぎょうと違い、その僧は木魚もくぎょかねけい、太鼓、しょうの五ツぐらいな楽器を身のまわりにおき
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)