“鐘撞堂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かねつきどう80.0%
かねつきだう20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、そこにも、たけの高いはげいとうが五、六本、かっと秋日にはえて、鐘撞堂かねつきどうの下に立っているばかりで、犬の子一ぴきいなかった。
久助君の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
鐘撞堂かねつきどうの後に、小さい旅館が沢山並んでいる。「あんた貫一さんはないのかい?」一人てんやり歩いている私に、旅館の番頭が声をかける。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
私は小菊をつれて五重の塔の麓を𢌞り鐘撞堂かねつきだうの陰なる小料理屋に入り、それから雷門の往來で車に乘つて歸る小菊を見送り果てゝも、あたりはまだあかるかつた。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
鐘をいたあとで、鐘撞堂かねつきだうのあたりでうろうろしてゐることがよくあつた。また門を閉めにいつて、門の外でぼんやり自分の家の方を見てゐることもあつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)