しょう)” の例文
「それはわしにもわからないが、いま時分じぶんりをするのがまちがっている。」と、百しょうはいいのこして、さっさといってしまいました。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて、リンゴが、すっかりできあがりますと、顔を黒くぬって、百しょうのおかみさんのふうをして、七つの山をこして、七人の小人こびとの家へいきました。
王子は、このうちのどれを信じていいか、わからないので、まよっていますと、そのとき、ひとり、この土地に古くからいる年よりのお百しょうが、こういいました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
しょうはらがすいてくるし、からださむくなって、をいくらおおきくけても、だんだんあたりはくらく、えなくなってくるばかりでした。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すこし行くと、まきばの草をっているお百しょうたちに出あいました。すると猫吉は
「いいえ、はいらなくてもいいんですよ。わたしはね、いまリンゴをすててしまおうかと思っているところなので、おまえさんにも、ひとつあげようかと思ってね。」と、百しょうの女はいいました。
おじいさんは、できあがったくわを、みせさきにならべておきました。百しょうは、みんなこのみせで、くわや、かまをっていくのです。
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、すっかりお百しょうたちを、おどしつけました。
しばらくすると、ほおかぶりをして、えりきをした百しょうが、そのはしうえとおりかかりながらかれりをしているのをながめました
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
うしは、百しょうせて、くらみちをはうようにゆきなかあるいていきました。けてから、うしは、門口かどぐちにきてまりました。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、おじいさんのそばへって、こしろしました。おじいさんのおし火鉢ひばちにあたって、昔風むかしふうふといきせるにをつけました。
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、たまたま真夏まなつになって、あめらないことがありました。そんなときは、むらの百しょうは、どんなにこまったでありましょう。
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、たくさんの大根だいこんなかから、いちばんできのいいのを十ぽんばかりって、それをむら地主じぬしのところへってまいりました。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんのりっぱなうまこうわたし、こうっていたひくみにくうまって、いたわりながら、おつの百しょうはあちらへってしまいました。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、お世辞せじのないかわりに、まことにしんせつでありました。殿とのさまはどんなにそれをこころからおよろこびなされたかしれません。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もう、くわのもへったから、あたらしいのをってかえろう。」と、一人ひとりの百しょうは、みせさきにねらべられたくわをていいました。
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
おつの百しょうは、じつにたかいりっぱなうまいていました。たところでは、どこへしてもずかしくないうまでありました。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それほど、おまえさんがわたしうまったのなら、いまでもいいから、えてあげますよ。」と、こうの百しょうはいいました。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、れかかるし、みちとおいのに、ゆきっては、あるけなくなってしまう心配しんぱいから、気持きもちがいらいらしていました。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むらかえると、そのあいだに、百しょうは、おこたらずにはたらいていました。地主じぬしは、はじめて、まじめにはたらかなければならないとりました。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうした、ようようのほねおりで、大根だいこんは、こんなにみごとにできたのであります。百しょうは、かんがえるとうれしくてたまらなかったのであります。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうに、そうだ。あまごいをしなければなるまい。」と、ほかの百しょうは、そらあおぎながら、心配しんぱいそうなかおつきをしていうのでありました。
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうなってもちょうをきれいだなどというのは、ただふらふらしているあそにんだけで百しょうや、また草木くさきをかわいがる人間にんげんは、そうはいわない。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうたちは、なんとなく、ものりなくおもいました。そして、こしばして、あちらのはんのきのほうをながめたのです。
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまえさん、こんなところでなにがれるものかな。こんなかわさかななどすんでいやしない。」と、百しょうはいいました。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
「はてな。」と、おじいさんは、あたまかたむけました。おじいさんは、どうかして、このつぎには、百しょうにいるくわをつくってみようとおもいました。
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
この楽器がっき体操たいそうや、唱歌しょうかをならった子供こどもらは、いつしかおおきくなって、むすめたちは、およめさんになり、おとこは、りっぱに一にんまえの百しょうとなりました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、まことにおそりました。じつに粗末そまつちゃわんでありましたから、殿とのさまにたいしてご無礼ぶれいをしたと、あたまげておわびをもうしあげました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「お百しょうさんも、こんなさかうえまで、はたけつくりにくるのでは、さぞほねがおれるだろう。」と、おじさんは、あしやすめて、左右さゆうをながめていました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとし、どうしたことか、おつの百しょうのまいたいものできが、たいそうわるうございました。おつこうのところへやってきて
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これからさきは、だんだんゆきふかくなるばかりだ。」と、百しょうとおぎるときに、二人ふたりかってらせました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうのおじいさんは、今年ことしばかりは、せいして、なつのはじめに、はやくいいすいかをまちしたいとおもいました。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうこのころになると、この地方ちほうでは、いつあらしとなり、あられがってくるかしれません。百しょうは、せっせとはたけて、りいれをいそいでいました。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうして、それから四、五ねんのちには、牛女うしおんな子供こどもは、この地方ちほうでの幸福こうふくうえの百しょうとなったのであります。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そらをゆくくもや、あたまうえ小鳥ことりたちが、それをみとめたばかりでない。ここをとおる百しょうもそういってべば、むら子供こどもたちもみんなっていたのであります。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろうは、そばで、女中じょちゅうがおかあさんにはなすのをいていましたが、どこでも百しょうは、よるもろくろくねむらずにはたらくのかということを、はじめてふかかんじたのです。
少女がこなかったら (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なにがこわいことがある。あれはひつじだ。くさべさせに百しょうがつれてゆくのだ。よけてやれば、おとなしくまえとおってゆく。」と、おばあさんはこたえました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大根だいこんや、ねぎや、まめや、いもなどを昨日きのうから、近在きんざいの百しょうだちが会場かいじょうんでいますよ。そして、一とうと二とうとは、たいした賞品しょうひんがもらえるということです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんは、田舎いなかにいれば、いまごろ、くわをって百しょうをしているんだが。」と、達吉たつきちかんがえました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうは、おぼうさんのいわれたことをただしいとかんじましたから、おぼうさんのいったとおりにしました。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、もと百しょうでした。うまって、はたらいていました。それが、戦争中せんそうちゅううま徴発ちょうはつされたのです。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
としとった百しょうは、したき、あおけむりをただよわして、えるをじっとて、きいていましたが
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太吉たきちじいさんは、百しょうが、かさをかぶって、ゆみってっている、かがしをつくる名人めいじんでした。それをると、からすやすずめなどが、そばへりつきませんでした。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
正直しょうじきな百しょうが、いつものように、朝早あさはやく、野良のら仕事しごとにいこうと、くわをかついでいえたのであります。まだ、つちがしめっていて、あまりひととおったようすもありません。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
殿とのさまは、百しょうのおぜんせてあるちゃわんをりあげて、つくづくごらんになっていました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある田舎いなかに、二人ふたりの百しょうんでおりました。平常ふだんはまことになかよくらしていました。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんは、いつまでもむかしの百しょうで、みんなといっしょになってはたらいて、みんなと苦楽くらくともにしましたから、むらひとたちからも、恩人おんじんしたわれて、たいへん尊敬そんけいされたのであります。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、さびしい、あまりひととおらない田舎路いなかみちを、どこまでもまっすぐにあるいてゆきました。すると、あちらから、一人ひとりの百しょうが、二とうひつじいて、こちらにきかかりました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なれない百しょうだな。」とおもって、かれも、まって、そのかお見上みあげますと、赤銅色しゃくどういろけて、角張かくばったかおは、なんとなく、残忍ざんにんそうをあらわして、あちらをにらんで
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、カッポ、カッポのおとちかづきました。百しょうにひかれて、おおきなうまがそのみちとおったのです。そして、路傍ろぼういているたんぽぽのはなうままれてくだかれてしまいました。
いろいろな花 (新字新仮名) / 小川未明(著)