“餉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょう21.1%
おく15.8%
かれい15.8%
15.8%
かれひ10.5%
10.5%
かい5.3%
かれいい5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
北征の師のづるや、しょうを督して景隆の軍に赴かんとしけるに、景隆の師ついえて、諸州の城堡じょうほふうを望みて燕に下るに会い、臨邑りんゆうやどりたるに、参軍高巍こうぎの南帰するにいたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
座の一隅にはひくい脚を打った大きな折敷おしき柳樽やなぎだる置かれてあった。客が従者じゅうしゃに吊らせて来て此処へおくったものに相違無い。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
元旦の朝のかれいには、筒井は主人といっしょの座にあてがわれ、ひじき、くろ豆、塩したたい雑煮ぞうに、しかも、廻って来た屠蘇とその上のさかずきは最後に筒井のぜんに来て
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
朝昼二度のをぬくことにしたが、六月になると西国総体に米が不足し、大阪からの廻米が途絶えてお倉の扶持米のこくが切れ、一人、日に二合というつら扶持になり、舅の口どころか
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一に云、「かれひはなしに」とあるのは、「かれひしに」で意味は同じい。カレヒは乾飯カレイヒである。憶良の作ったこのあたりの歌の中で、私は此一首を好んでいる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
朝の堆朱つゐしゆの膳に散らひる粉雪は松の揺りにたるらし
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
道益は朝のかいにしている牛のちち金椀かなまりでやりつけながら、まず、は、は、はと思出し笑いをし、それから、昨夜、磧で聞いた鰻掻うなぎかきの下人どもの側言そばごとをおどけた口で話してきかせると
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
翁は、螺の腹にえび蔓の背をしたまま旅のかれいいを背負い、杖を手にして東路に向った。妻は早く死に、陽のさす暖い山ふところの香高い橘の木の根方にやすらかに葬ってある。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)