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餉
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おく
座の一隅には
矮い脚を打った大きな
折敷に
柳樽一
荷置かれてあった。客が
従者に吊らせて来て此処へ
餉ったものに相違無い。
□三月上巳の節句とて往来し、
艾糕を作て
餉る、石竹・
薔薇・
罌粟倶に花咲く、紫蘇生じ、麦
秋り
虹始て見ゆ。
此の佐用が家は
頗る富みさかえて有りけるが、丈部母子の
賢きを
慕ひ、
娘子を
娶りて親族となり、
屡事に
托せて物を
餉るといへども、
九口腹の為に人を
累さんやとて、
敢て
承くることなし。
父は磯良が
五九切なる
行止を見るに忍びず、正太郎を責めて
押籠めける。磯良これを悲しがりて、
六〇朝夕の
奴も
殊に
実やかに、かつ袖が方へも
私に物を
餉りて、
信のかぎりをつくしける。