“かれい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.2%
佳麗12.2%
華麗11.0%
家令7.3%
嘉例3.7%
3.7%
家例2.4%
佳例1.2%
歌伶1.2%
王余魚1.2%
花麗1.2%
苛厲1.2%
1.2%
鰈魚1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょっとかれいを——縦におこして泳がせたような恰好かっこうだ。それに、その胴体と殆ど同じ位の大きさの三角帆のようなひれ如何いかにも見事だ。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
江河こうが潔清けつせいなれば女に佳麗かれい多しと謝肇淛しやてうせつがいひしもことはりなりとおもひつゝ旅宿りよしゆくかへり、云々しか/″\の事にて美人びじんたりと岩居がんきよに語りければ、岩居いふやう、かれは人の知る美女なり
たとえば南洋なんよう蕃地ばんちさんする、華麗かれいなちょうのようなはなをつけたもの、はなじま波浪はろうせるがけのうえに、ぶらさがっているというみじかいもの
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつだか、鬼河原さんの家令かれいとかいう人が、かんかんになって怒って来たからなあ、まあ、鬼河原さんの庭園はよけて掘ることにしよう
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
正月の式などは御家の嘉例かれいだから、席次なども厳しく守るが、饗応の宴は臨時のことで、さほど窮屈に考えることはあるまい、現に片倉小十郎どのなどは、自分より席次が下であるのに
次には岩代耶麻やま月輪つきのわ村大字山潟の支村には餉沢かれいさわ新田がある。この宛字からは山路の側に清水などの出る地で、旅人がかれいしたためた場処などという説が起りそうだ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
其の皿は実に結構な品でありますゆえ、たれも見たがりますから、作左衞門は自慢で、くだんの皿を出しますのは、ういうものか家例かれいで九月の節句に十八人の客を招待しょうだいして、これを出します。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ご先祖義家公にも、奥州征伐のみぎりには、ただ七騎とならせ給うた例があります。はじめの負けは御当家の佳例かれいかと覚えまする」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太虚この劇の流行を聞き、丁度南昌に来れる龔芝麓と共に、ひそかに歌伶かれいを其の家に召し、夜半之を演ずるをる。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
阿波の海部川かいふがわの水源には、とどろきの滝、一名を王余魚かれいの滝という大きな滝があって、山の中に王余魚明神という社がありました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは実朝の御台みだいを迎えに往くためであった。実朝の御台は奏聞そうもんを経て、坊門大納言信清卿ぼうもんだいなごんのぶきよきょう息女そくじょを迎えることになったので、鎌倉では容儀ようぎ花麗かれい壮士そうしを選んでそれを迎いに往かした。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
梁川君が遺文の中、病中唯一度母君に対してやゝ苛厲かれいの言を漏らしたと云って、痛恨して居る。若し其れをだに白璧の微瑕と見るなら、其白璧の醇美は如何であろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
魚市の鯛、かれい烏賊いかたこを眼下に見て、薄暗いしずくに——人の影を泳がせた処は、喜見城きけんじょう出現と云ったおもむきもありますが。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
最も奇抜なるは『新撰陸奥風土記』一に、陸前遠田とおだ郡黒岡という村の山中に鰈魚かれい沼がある。鰈魚はもと海中の魚で沼ではここのみに産するゆえとある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)