佳麗かれい)” の例文
十八の茶々の君のそうした佳麗かれいさが、秀吉の眼をひかないわけはない。この道にかけても、六韜りくとうの奥の手、三りゃくの妙に通じている主人である。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江河こうが潔清けつせいなれば女に佳麗かれい多しと謝肇淛しやてうせつがいひしもことはりなりとおもひつゝ旅宿りよしゆくかへり、云々しか/″\の事にて美人びじんたりと岩居がんきよに語りければ、岩居いふやう、かれは人の知る美女なり
それは全くピトレスクで、眺望の佳麗かれいもって知らるる雲仙の序曲であるにふさわしい。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
後宮こうきゆう佳麗かれい三千人と云ふと、おれは何時いつもお前たちが、重なり合つた楼閣の中に、巣を食つた所を想像する。そら、西施せいしいもの皮をじつてゐると、楊貴妃やうきひは一生懸命に車をまはしてゐるぢやないか。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
浮世絵板画はんが元禄げんろく享保きょうほう丹絵たんえ漆絵うるしえより寛保かんぽう宝暦ほうれき紅絵べにえとなり、明和めいわ年間に及び鈴木春信すずきはるのぶによりてここに始めて精巧なる彩色板刻さいしきはんこくの技術を完成し、その佳麗かれいなるが故をもっ吾妻錦絵あずまにしきえの名を得るに至れり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「後宮の佳麗かれい三千人で」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、話は少し後にもどるが、彼が佳麗かれいな愛人のゆう女を、陣中へ召し寄せた——彼らしくもない、また、彼らしくもある事情をここで明らさまにしておこう。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江河こうが潔清けつせいなれば女に佳麗かれい多しと謝肇淛しやてうせつがいひしもことはりなりとおもひつゝ旅宿りよしゆくかへり、云々しか/″\の事にて美人びじんたりと岩居がんきよに語りければ、岩居いふやう、かれは人の知る美女なり
訊かれると、彼女はまだどこかに残る佳麗かれいおもてにほのあからめて
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後宮こうきゅう佳麗かれい、三千人