“佳什”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かじゅう75.0%
かじふ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近き頃森田草平もりたそうへいが『煤煙ばいえん小粟風葉おぐりふうようが『耽溺たんでき』なぞ殊の外世に迎へられしよりこのていを取れる名篇佳什かじゅう漸く数ふるにいとまなからんとす。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
自己が唯一の俳人とあがめたる其角の句を評して佳什かじゅう二十首に上らずという、見るべし蕪村の眼中に古人なきを。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「飛ぶ鷲の翼もたわに」などいへるは眞淵集中の佳什かじふにて強き方の歌なれども意味ばかり強くて調子は弱く感ぜられ候。實朝をして此意匠を詠ましめば箇樣な調子には詠むまじく候。
歌よみに与ふる書 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
若しわれをしも蒐集家しうしふかと言はば、張三李四ちやうさんりしの徒も蒐集家たるべし。然れどもわが友に小穴一游亭をあないちいうていあり。若し千古の佳什かじふを得んと欲すれば、かならずしもかの書画家の如く叩頭百拝こうとうひやくはいするをもちひず。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)