“はで”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハデ
語句割合
派手49.8%
華美25.1%
派出12.3%
華手3.7%
華麗2.1%
華奢1.6%
0.8%
0.8%
端手0.4%
開豁0.4%
優美0.4%
拍手0.4%
派美0.4%
浮華0.4%
華靡0.4%
葉照0.4%
豪奢0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これらの粘土細工ねんどざいくは、おどろいたかおつきをして、きゅうに、その仕事場しごとばへはいってきた派手はで着物きものたお人形にんぎょうつめているようすでした。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
すべてがいかにもきよらかで、優雅ゆうがで、そして華美はでなかなんともいえぬ神々こうごうしいところがある。とてもわしくちつくせるものではない。
派出はでな稼業だけに交際が大変だ。おまけに大立物エスパダになると、見習弟子だの男衆だのと、いわゆる「大きな部屋」を養っている。
小虎は華手はでに抜手まで切って見せた。併しそれは僅かの間であった。坊主の云ったのは確実で、忽ち細長い藻の先が足に搦んだ。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
然しもう人目を引く華麗はでな姿ではなく、其の土地では一口にねえさんで通るかと思ふ年頃の澁いつくりの女が、向から不審さうに私の顏を見詰めたが、忽ち「まア」と驚いて
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
筒袖つゝそできはめて質朴な風采ふうさいで、華奢はでな洋行帰の容子ようすとは表裏の相違ぢやありませんか、其晩の説教の題は『基督キリストの社会観』といふのでしてネ、地上に建つべき天国につい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかしはでな浮名を好まないたちであるのと、もうひとつには自分よりも年下の、しかも大工の丁稚あがりを情夫おとこにしているということが勤めする身の見得みえにもならないので
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なぜなら渋さに向って競い得るはでやかさは何処にもないからです。またはあの複雑さをしてなお単調たらしめた単純の深さを。なぜならかつて単純さに優る複雑な美を示し得た作がないからです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
とおつぎから包を持ってまいり、取出して見せました。唐手の縞柄は端手はででもなく、縞縮緬は細格子ほそごうしで、色気も宜うございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
出所でどこも知れて居りますから上げました、途々みち/\もお定どんに伺いましたが、大層御意にって、黄八丈は旦那様がお召に遊ばすと伺いましたが、少しお端手はでかも知れませんが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
移気、開豁はで軽躁かるはずみ、それを高潔と取違えて、意味も無い外部の美、それを内部のと混同して、はずかしいかな、文三はお勢に心を奪われていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かつお勢は開豁はでな気質、文三は朴茂じみな気質。開豁が朴茂に感染れたから、何処どこ仮衣かりぎをしたように、恰当そぐわぬ所が有ッて、落着おちつきが悪かッたろう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「これは先代のワルソノーフィ長老の時分からあったのですかい? なんでも、あのかたは優美はでなことが大嫌いで、婦人たちさえ杖で打たれたというじゃありませんか」
あめの世に拍手はで打つもす
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
我儘で派美はで好きな YOKARAKA JOHN
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
何度か寝返を打って、——さて眠られません。青々とした追憶おもいでのさまざまが、つい昨日のことのように眼中めのなかに浮んで来ました。もう私の心にはこの浮華はでな御家の御生活おくらしが羨しくも有ません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
農家の子なれど、裁縫店にて雛形娘をつとむるゆゑ、華靡はでやかなる色の衣をよそひて、幅廣き白き麻布もて髮を卷けり。
殊に日の光の澄んだ空に葉照はでりの深い枝を張りながら、静かに聳えてゐる姿は荘厳に近い眺めである。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
深紅しんくの色の薔薇ばらの花、秋の夕日の豪奢はでやかさを思はせる深紅しんくの色の薔薇ばらの花、まだ世心よごころのつかないのに欲を貪る者の爲添伏そひぶしをして身を任すたふと供物くもつ僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)