はで)” の例文
旧字:
綾衣は起って仏壇の燈明をかき立てると、白地に撫子なでしこを大きく染め出したはでな浴衣が裾の方から消えて、痩せた肩や細った腰が影のようにほの白く浮いて見えた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかしはでな浮名を好まないたちであるのと、もうひとつには自分よりも年下の、しかも大工の丁稚あがりを情夫おとこにしているということが勤めする身の見得みえにもならないので
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)