“艶冶”のいろいろな読み方と例文
旧字:艷冶
読み方(ふりがな)割合
えんや77.8%
あだぽさ5.6%
あでや5.6%
つや5.6%
なまめ5.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紫巾しきん振袖ふりそで艶冶えんやの色子すがたは、黒ずくめの覆面と小袖の膝行袴たっつけにくるまれ、足さえわらじばきの軽々しい身ごしらえです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出版当時有名なる訴訟そしよう事件を惹起じやくきしたるも、また是等艶冶えんやひつるゐする所多かりし由。
徳川三百年、豊麗な、腰の丸み柔らかな、艶冶えんやな美女から、いつしか苦味をふくんだ凄艶せいえんな美女に転化している。
明治大正美人追憶 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
いかにも艶冶えんやな桃色の中へ心までとろけいったさまで、新助の半畳はんじょうなどには耳を貸している風もない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柳家三亀松の「芸」への好悪は別として、冬夜、男のオーバーの中へしっかりと抱き寄せられた美しい色白長身の芸者の婀娜姿だけは、たしかに艶冶えんやな彼の「舌」から蘇ってくる。
艶色落語講談鑑賞 (新字新仮名) / 正岡容(著)
唯單に肉體の輪郭を仕切るといふ必要以外の艶冶あだぽさを見せようという作意の爲めに
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
その場の胸中の憤懣ふんまんに、日頃のつつしみを忘れ、軽はずみに事をいそいで、大事をあやまろうとした雪之丞、はからず邂逅した孤軒老師から、新しく智恵をつけられ、翌日、翌々日、無事に艶冶あでやかなすがたを、舞台に見せつづけていた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
たゞ若さは、青春は、娘は、かくおのれを謎の地に伏せる間も、謎の地に伏せるほど身のうちをうす紅梅色に華やがし、かもし出す艶冶つやな電気は、相対の性に向って逸奔いつほんがって仕方がありません。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と、まるで、女のように、艶冶なまめかしく笑ったが、
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)