“やさし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.1%
柔和13.6%
容易11.9%
優美3.4%
有情3.4%
温和3.4%
優艶1.7%
1.7%
平易1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
温柔1.7%
温順1.7%
矢差1.7%
矢指1.7%
1.7%
解易1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われは人心地ひとごこちもあらで見られじとのみひたすら手足を縮めつ。さるにてもさきのひとのうつくしかりし顔、やさしかりし眼を忘れず。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貴郎あなたのやうな柔和やさしいお心を持つことが出来ませう——其れにけても理も非もなく山木さんの言ふなり放題になさる、牧師さんや執事さん方の御心が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ところで笊の目をくぐらして、口から口へくくめるのは——人間の方でもその計略だったのだから——いとも容易やさしい。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
したうやまひける然るに夫婦の中に二人の子供こどもありて長男ちやうなんは平吉とて二十一歳いもとをおなみと呼て十八歳なるが此お浪は容貌かほかたちしうすぐれて美麗うつくしき上氣象こゝろだて優美やさしければ兩親ふたおや愛情いつくしみも一方ならず所々しよ/″\方々はう/″\より縁談えんだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
またこれが知れたらば女のらぬ無益むだ心配、それゆえいつも身体の弱いと、有情やさしくて無理な叱言こごとを受くるであろう、もう止めましょ止めましょ、ああ痛
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
みがいていで礪ぎ出した純粋きっすい江戸ッ子粘り気なし、ぴんでなければ六と出る、忿怒いかりの裏の温和やさしさもあくまで強き源太が言葉に、身動みじろぎさえせで聞きいし十兵衛、何も云わず畳に食いつき、親方
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ぷんと匂う香料の香や「乳母ばあや」と呼んで振り返ったその態度とりなし優艶やさしさには言葉に尽くせない品がある。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここの茶店の女房も、(ものやさしく取りはやして)——このやさしくを女扁に、花、やさし。——という字があててある。……ちょっと今昔の感がありましょう。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大河内参事官は、痩ッぽちの体に似合わず、吃驚びっくりする程の大声で訓示を始めた。良く透る歯切れのいい弁で、内容を平易やさしく要領よく述立てる所は流石にと思わせた。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
ここに圓野まとの比賣やさしみて「同兄弟はらからの中に、姿みにくきによりて、還さゆる事、隣里ちかきさとに聞えむは、いとやさしきこと」といひて、山代の國の相樂さがらかに到りし時に、樹の枝に取りさがりて、死なむとしき。
と顔をながめて元気らしく、呵々からからと笑うと、やさしい瞳がにらむように動き止まって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鬼の女房に天女だけれど、今日こんにちぢや大きに日済ひなしなどを貸してゐるかも知れん。ええ、貴様、そんな事をしちや可かんよ。けれども高利貸アイスなどは、これでかへつて女子をんなにはやさしいとね、間、さうかい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
先生様しのださまで私、驚きましたの、一寸お見受け申すと、何だか大変にこはさうで、不愛想の様で居らつしやいますが、心底に温柔やさしい可愛らしい所がおありなすつて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ほんたうに小米さんの様な温順やさしい人はありませんでしたよ」と、花吉は、吐息といきらしぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
矢差やさしうらも過ぎ、飯岡の町に来たから、多分この辺で下りるだろうと思うと、いつしかその町も通り過ぎてしまったから、行先の目的が全くわからなくなってしまいました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
塚の名を矢指やさし塚という。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
送しにおもせも文右衞門が男ぶりいうやさしく甲府の中にも多く有まじき樣子やうすまよつひに人知ず返書へんしよを取りかはし二世のちかひを立たりけり然るにおもせの親五郎右衞門は此こと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうして此の肉と心とのさかいを解易やさしく区別出来よう。
呪咀 (新字新仮名) / 土谷麓(著)