“ふや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フヤ
語句割合
68.4%
13.2%
麩屋7.9%
5.3%
不夜2.6%
2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ただもうお金がたよりだ」といって、確実な知合いに小金を貸したりして、少しずつ貯金をふやして行くのを此上このうえもない楽しみにしていた。
心理試験 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
使者との公式な対談もすみ、やがて、遠路をねぎらう饗応きょうおうに、しょくふやされたのであろう。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
麩屋ふや町の柊屋ひゝらぎやとか云ふ家へ着いて、子規と共に京都の夜を見物に出たとき、始めて余の目にうつつたのは、此の赤いぜんざいの大提燈である。
京に着ける夕 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それで、村の入口に入るや否や、吠えかかる痩犬を半分無意識にこはい顔をして睨み乍ら、ふやけた様な頭脳あたまを搾り、有らん限りの智慧と勇気を集中あつめて、「兎も角も、宿を見付けるこつた。」と決心した。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
眠れないでいた竜之助には、その夜更けて、不夜ふやの念仏をしていた上人のもとへ忍び寄った二人の盗賊ぬすっとと、それに驚かなかった上人の問答をよく聞くことができました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
昨夕ゆうべの雨が土をふやかし抜いたところへ、今朝からの馬や車や人通りで、踏み返したり蹴上けあげたりした泥のあとを、二人はいとうような軽蔑けいべつするような様子で歩いた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)