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殖
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ふや
ふりがな文庫
“
殖
(
ふや
)” の例文
さうして
此後
(
このご
)
も
大凡
(
おほよ
)
そこんな
状勢
(
じやうせい
)
で
進
(
すゝ
)
むからして
從
(
したがつ
)
て
少
(
すくな
)
くも
是迄
(
これまで
)
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に
殖
(
ふ
)
えて
來
(
き
)
た
國債
(
こくさい
)
の
總額
(
そうがく
)
を
殖
(
ふや
)
さずに
濟
(
す
)
まし
得
(
う
)
る
次第
(
しだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「ただもうお金がたよりだ」といって、確実な知合いに小金を貸したりして、少しずつ貯金を
殖
(
ふや
)
して行くのを
此上
(
このうえ
)
もない楽しみにしていた。
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と云ふ風に
殖
(
ふや
)
して行つた結果、今では何でも六
箱
(
はこ
)
か七
箱
(
はこ
)
ある。其うちの
一箱
(
ひとはこ
)
を年に
一度
(
いちど
)
づゝ石から卸して蜂の
為
(
ため
)
に蜜を切り取ると云つてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから、単なる村の人口を
殖
(
ふや
)
さうなどゝいふ考へから出た交訪ではなくて、厳粛な宗教的の意味から出発してゐたのです。
古代生活に見えた恋愛
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
貯蓄とは有形の力即ち金銭を貯蓄して資本を
殖
(
ふや
)
すと同時に無形の力即ち体力心力を貯蓄してその資本を利用するようにしなければならんのです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
中には
諺
(
ことわざ
)
にも申します、一口
茄子
(
なす
)
に
食
(
し
)
てやるは
可惜
(
あったら
)
もの、勿体ないと、神棚へ上げて
燈明
(
みあかし
)
の燈心を
殖
(
ふや
)
しまして、ほほう、茄子ほどな
丁子
(
ちょうじ
)
が立った
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、可哀そうな奴! また皺を
殖
(
ふや
)
すな」彼女はそんなとき口笛をふきたい気になった。だが、それは鳴らなかった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
彼はそのわずかな金を、巧みな考案の実施に使い、だんだん注意してそれを
殖
(
ふや
)
し、ついに一財産を作り上げ、またその地方全体を富ましたのだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
殖
(
ふや
)
せしは何か存じ寄にても有ての事なるや又山口惣右衞門は何故有て
永
(
なが
)
の
暇
(
いとま
)
申付られしや當時
渠
(
かれ
)
は
三河
(
みかは
)
町に浪宅を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若気の
過
(
あやま
)
ちで人を
害
(
あや
)
め、江戸へ逃げて来て名前まで変え、同じ国から出た出雲屋に婿入し、十年ばかりのうちに、すっかり
身上
(
しんしょう
)
を
殖
(
ふや
)
して、江戸の鎌倉町で
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この意味から、たとい私の書いた物は粗末であっても、偶〻三女史の識見を引出して社会の耳目を集める機縁を一つ
殖
(
ふや
)
したことについて自ら喜ぼうと思います。
平塚・山川・山田三女史に答う
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それは決して事変このかた生めよ
殖
(
ふや
)
せよのせいではなく、もっと民族的な甚だ独特な考え方だと僕は思う。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
生め、
殖
(
ふや
)
せ、小泉の家と共に栄えよ——この
喜悦
(
よろこび
)
は実が胸に満ち溢れた。彼は時の経つのを待兼ねた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
肉を削ったり
殖
(
ふや
)
したりする様な者、其所が即ち学者も未だ研究し得ぬ此のポール・レペルの秘術です
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
あらゆる医術を開拓して自然の健康法に反逆させ、病人を
殖
(
ふや
)
し、産児制限を自由自在にしてやった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
また是から段々
殖
(
ふや
)
そうという
売卜
(
うらない
)
に
手習
(
てなれえ
)
の師匠に医者の三点張と云う此のくらい結構な事は有りませんが、
彼処
(
あすこ
)
へお
遣
(
や
)
りなすっては何うで、
弟御
(
おとゝご
)
ぐるみ引取ると云うので
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
当代になっても村政に関係したり公共事業に奔走したりして、
殖
(
ふや
)
すよりも
耗
(
へら
)
す方へばかり廻っている。格式は高いが、実力が伴わない。而も出すものは金持並だから苦しい。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
誰が云うとなく、権現には天狗が住んでいるというものが、次第にその数を
殖
(
ふや
)
してきた。
天狗
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
種蒔け、種蒔け、づんと
殖
(
ふや
)
せ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
度かさなるに従って、数を増し、
燈
(
ひ
)
を
殖
(
ふや
)
して、部屋中、三十九本まで、一度に、神々の名を輝かして、そして、黒髪に絵蝋燭の、五色の簪を燃して寝る。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
器械的の改良すなわち法律が細かくなるとか巡査の数を
殖
(
ふや
)
す事はできますが、
肝心
(
かんじん
)
の人間の行為を支配する根本の大部分を閑却して世の中が運転する訳がありません。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
富を
殖
(
ふや
)
し、社会的に有名人となったというだけの話をきいても、私たちが真の人間としての偉さにうたれたり、心の高まるような歓びを見出したり出来ないのは自然でしょう。
キュリー夫人の命の焔
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
成
(
な
)
るたけ
手持
(
てもち
)
の
商品
(
しやうひん
)
を
減
(
げん
)
じて
居
(
を
)
つたが、
既
(
すで
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
が
上
(
あが
)
つてしまつて、
其方面
(
そのはうめん
)
から
來
(
く
)
る
物價低落
(
ぶつかていらく
)
がなくなつたからして、
最早
(
もはや
)
安心
(
あんしん
)
して
手持
(
てもち
)
を
殖
(
ふや
)
すことが
出來
(
でき
)
る、
即
(
すなは
)
ち
商取引
(
しやうとりひき
)
が
殖
(
ふ
)
える
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「口銭を稼ぐだけなら、お安い御用ですよ。お客さまの数さえ
殖
(
ふや
)
せばいいんです」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お前さんの処へ娘を上げましょう養子に上げましょうなどと云って、親類がこんがらかる事があります、湯治場は一体親類
殖
(
ふや
)
しの処で、貴方は東京は
何方
(
どちら
)
で、何か訳があるのでしょう
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こちのお
嚊
(
かか
)
もどんと
殖
(
ふや
)
せ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
で、口を手つだわせて、手さきで
扱
(
しご
)
いて、
懐紙
(
ふところがみ
)
を、
蚕
(
かいこ
)
を引出すように数を
殖
(
ふや
)
すと、九つのあたまが揃って、黒い扉の鍵穴へ、手足がもじゃ、もじゃ、と動く。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし、
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふのを
信
(
しん
)
じないで、
私
(
わたし
)
に
任
(
ま
)
かせることを
不安心
(
ふあんしん
)
と
思
(
おも
)
ふなら、
提灯
(
ちやうちん
)
の
上
(
うへ
)
に
松明
(
たいまつ
)
の
数
(
かず
)
を
殖
(
ふや
)
して、
鉄砲
(
てつぱう
)
持参
(
じさん
)
で、
隊
(
たい
)
を
造
(
つく
)
つて、
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
いてお
捜
(
さが
)
しなさい、
其
(
それ
)
は
御勝手
(
ごかつて
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殖
常用漢字
中学
部首:⽍
12画
“殖”を含む語句
繁殖
貨殖
蓄殖
殖産
蕃殖
学殖
拓殖
利殖
生殖
養殖
貨殖伝
貨殖列伝
親族繁殖
蕃殖期
過殖
蕃殖力
霊魂生殖説
飯殖焚
麻殖郡
移殖
...