“ぜい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゼイ
語句割合
69.2%
14.5%
4.4%
3.1%
1.9%
背丈1.9%
1.3%
身長1.3%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の捕物小説の主人公、銭形平次については、私はもう語りすぎるほど語り尽くした、今さら何をぜいすることもあるはずはない。
親指が没する、くるぶしが没する、脚首あしくびが全部没する、ふくらはぎあたりまで没すると、もうなかなかたにの方から流れる水の流れぜいが分明にこたえる。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
頼朝創業のときの例にならって、このさい、諸国の武士領へ、所領二十分ノ一のぜいを課すがよいと申すのか。
しかるに津田左右吉つだそうきち氏によると、ぜいによる占いが古いとしても、易の書は古いものではない。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そのくせにすわぜいはなかなかあッて、そして(少女おとめ手弱たよわに似ず)腕首が大層太く、その上に人を見る眼光めざしが……眼は脹目縁はれまぶちを持ッていながら……、難を言えば、凄い……でもない……やさしくない。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
背丈せいはさして高くなく、肉付も普通で所謂中肉中背丈ぜいだが、色飽まで黒く、それに一際目立つクッキリとした太い眉、眼は大きくギロリ/\と動く物凄さ。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
孔子、王道を行なわんと欲して東西南北し、七十たびぜいしたれども、う所なかりき。故に衛の夫人と弥子瑕とに因りて、その道を通ぜんと欲せり。(『淮南子えなんじ』、泰族訓)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
豊かな垂れ頬、ひきしまった頤、厚い耳たぶ、長目の首、総体が華奢きゃしゃで上品で、そうして何んとなく学者らしい。体格は中肉中身長ぜいである。顔に負けない品位がある。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ぜいからしまりのないうへに、今日けふ家探やさがしで少しき込んでゐる。話が一段落つくと、相の手の様に、何所どこかないか/\と聞く。仕舞には三四郎も笑ひ出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
樵歌せうかには「祝」が「※」又「※」に作つてある。字書にぜいせつの字はあるが、ほうの名は祝融しゆくゆうであらう。霞亭は朱子に次韻した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
誰にでも笑いかけそうに、そのくせ固く結んでいる口辺には、おかすことを許さない意志の力が覗いているような、気がする。中肉中ぜいである。いや、いささかふとっているほうかも知れない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
まるで真紅の鬼芥子の花が、乱れ咲いたか、と思うばかりの大塊——それを葱と一緒に煮ながら食えば、その味は飽くまで豪宕ごうとうといった趣きだが、また思いもよらず豊ぜいなのに驚く。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)